2012 Fiscal Year Annual Research Report
育児環境における情報収集過程と個人特性が養育者の心理的適応に及ぼす影響機序の解明
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22610025
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
西村 太志 広島国際大学, 心理科学部, 講師 (30368823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沼 貴美 広島国際大学, 看護学部, 教授 (80432714)
相馬 敏彦 広島大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (60412467)
古谷 嘉一郎 比治山大学, 現代文化学部, 講師 (80461309)
内田 裕之 大阪大学, 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達科学研究科, 准教授 (90461350)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 子育て / 子育て情報の獲得と提供 / 対人ネットワーク / 養育者の心理的適応 / 防災マップ / 母子保健推進委員 / 居住流動性 / 社会心理学 |
Research Abstract |
本年度は、2つの観点から研究を行った。第一に、養育者の情報収集過程に関する包括的で網羅的な検討を行うため、蓄積したデータの多面的解析と解釈、検討を行った。2011年度に、本科研費によって全国の就学前児童のみを養育する人たち約1400名を対象にweb調査を行った。このデータを用いて結果の検証を行った。その結果、以下のことが明らかとなった(1)育児情報の収集に関して、獲得する情報源によって、養育者の心理的側面に異なる影響が生じることが示された。具体的には、携帯電話やスマートフォンと、PCを通した情報獲得、地域からの情報獲得には、養育者の育児展望や環境評価、心理的適応に異なる影響があることである。携帯電話のみなどの利用の負の影響が見いだされた。(2)さらに、上述した影響過程の差異は、所有する対人ネットワークの多様性や子どもの発達障害の有無、養育者の完全主義傾向によって異なることが示された。(3)育児サポート・ネットワークのサイズと同質性・異質性の違い、および養育者が抱く子育てに関する制約感が子どもへの非意図的暴力の程度に影響を及ぼす。 加えて、web調査とは別に、広島県三原市本郷地区において、母子保健推進委員を通した防災マップの配付とその効果の測定を行い、地域の中で子育てにおいて「つなぐ」役割の検証を行った。これには、子どもの数や地域の特徴(流動性の違い)などが、子育て中の人にとっての交流期待に影響を及ぼすことが示された。 今後、これらの検討結果を踏まえて、地域における子育てにおける養育者の対人ネットワークの構築に影響を及ぼす諸要因の検討を更に深める必要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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