2010 Fiscal Year Annual Research Report
IVR患者放射線被曝測定用リアルタイム線量計の開発
Project/Area Number |
22611001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
洞口 正之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (20172075)
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Keywords | 放射線 / 医療 / 福祉 / 循環器 |
Research Abstract |
IVR時の患者放射線障害を回避するため、高感度でX線透過性が良く、かつ耐久性に優れそして毒性のない小型固体X線シンチレータと光ファイバーケーブルを用いた「リアルタイム患者放射線被曝線量計」を開発する。そのため、以下の基礎的検討を行った。 1.固体X線シンチレータの特性評価:多数の固体X線シンチレータを用いて基礎的検討を行った結果、Y(イットリウム)系のX線シンチレータが有用であり、なかでも、Y_2O_2S蛍光体およびY_2O_3蛍光体は、医用X線領域において、感度やエネルギー特性が良好であることが分った。さらにこれらのX線シンチレータの発光波長は、長波長であり受光検出部として使用するフォトダイオードと波長がマッチングするため好都合であった。今後引続き、さらに高性能なX線シンチレータを探索する予定である。 2.X線検出部の配置位置の検討:X線検出部を患者の最大皮膚線量部位に配置する必要があるため、冠動脈IVRにおける患者最大皮膚線量位置の分析を行った。実際に放射線皮膚障害(皮膚紅はん)を発症した数例における初期検討結果から、右冠動脈IVRの場合は、患者の右背部に放射線障害が起こることを明らかにした。よってその位置にX線検出部を配置させる必要がある事が分り、今後更に症例を重ね詳細な検討を継続する予定である。一方、ファントム実験結果から、患者被曝線量と術者被曝線量は相関することが分り、リアルタイム患者放射線被曝線量計は、術者の被曝モニターにも役立つ可能性があることが示唆された。 〔連携研究者〕東北大学・医学系研究科・教授・千田浩一・シンチレータの特性評価実験などを担当 〔研究協力者〕三菱化学株式会社・スクリーン部・部長・中村正明・シンチレタの基礎実験などを担当 秋田県成人病医療センタ・医療技術部・係長・加藤守・検出部の配置位置検討などを担当
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Research Products
(1 results)