2012 Fiscal Year Annual Research Report
X線CT検査による乳幼児患者の年齢別被ばく評価と防護の最適化に関する研究
Project/Area Number |
22611009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川浦 稚代 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60324422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 啓輔 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 診療放射線技師 (40469937)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 医療被ばく / 乳幼児 / X線CT / 人体ファントム / 線量測定・評価 |
Research Abstract |
当研究課題の目的は、乳幼児の人体構造を精密に模した人体ファントムの作製を行い、その内部に微小線量計を多数設置した臓器線量計測システムを構築し、それを用いた臓器線量評価結果から、現在、医療被ばくで最も問題視されている乳幼児のCT被ばくの実態を調査・解明することである。 平成24年度は、前年度に作製した3歳児頭部ファントムの主要組織・臓器位置に、微小線量計を多数設置した頭部ファントム臓器線量計測システムを用いて、病院で実際に使用されている様々な臨床撮影条件での線量評価を行った。研究分担者として参加した平成16年度~17年度および平成22年度~23年度の科研費研究(代表者:名大・青山)で共同開発した6歳児と0歳児人体ファントム臓器線量計測システムを用いた線量評価結果との比較から、頭部CT検査においては、頭のサイズが最も小さい0歳児の臓器線量が最も高くなることがわかった。また、3歳児と6歳児の脳と唾液腺の線量は同程度であったが、水晶体の線量は3歳児の方が若干6歳児よりも低かった。これは、ファントムの大きさや形状に起因しているものと考えられた。甲状腺の線量は、3歳児は0歳児の約半分、6歳児の約2倍になることがわかり、年齢による甲状腺の位置の違いが線量の違いに反映されたと考えられた。また、最新のCT装置に搭載されている被ばく低減システム(organ-based tube-current modulation(OBTCM)や管電圧自動調節機構等)による乳幼児の被ばく低減効果を調べ、乳幼児CT検査の効果的な被ばく低減法を検討した。その結果、最も体の小さな0歳児においては、管電流変調をベースとした被ばく低減システムの被ばく低減効果が、他の年齢層と比べると最も低くなることが分かった。一方、低管電圧の使用は、0歳児の被ばく低減に効果的であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)