2010 Fiscal Year Annual Research Report
物理学的画像分析法を利用した重粒子線脳腫瘍治療モデルの解析
Project/Area Number |
22611016
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
高井 伸彦 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (70373389)
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Keywords | 重粒子線 / 認知機能 / 記憶障害 / RBE / QOL / 炭素線治療 / 脳腫瘍 / 海馬 |
Research Abstract |
重粒子線および陽子線などの粒子線治療による脳腫瘍治療の効果的利用を目的とし,実験動物を利用した脳のRBE(生物学的効果比)指標を,早期に見いだすことのできる新たな物理的画像分析法(新規RBE指標)を創出するための研究を実施した。 その結果,脳の毛細血管密度を指標にした画像解析によって,炭素線1-60Gy照射による影響を1週間以内に定量解析できることを見いだした。また炭素線照射後の毛細血管密度の定量解析において,血液脳関門の破綻および血管透過性亢進によるものと考えられる要因によって,定量性が確保できない場合があることが判明したが,血管を画像化するために必要なFITC標識ゼラチンの透過分子量を様々なセルロース透析チューブにより調整し,最適な分子量を見つけることができた。以上の結果より,今後詳細に炭素線照射後の脳内毛細血管密度の解析を実施することが可能となり,線量依存性および経日的変化,さらには認知機能障害との関連性について検討することが可能となった。
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