2012 Fiscal Year Annual Research Report
物理学的画像分析法を利用した重粒子線脳腫瘍治療モデルの解析
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22611016
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
高井 伸彦 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (70373389)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 重粒子線治療 / 記憶 / 認知 / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
重粒子線および陽子線などの粒子線治療による脳腫瘍治療の効果的利用を目的とし,実験動物を利用した脳の RBE(生物学的効果比)指標を,早期に見いだすことのできる新たな物理的画像分析法を創出する。 また新規 RBE 指標を利用し,粒子線治療における分割回数および分割時間の検討を行うことを最大の目標とする 。それらの結果にもとづき,中枢組織障害ならびに脳機能(認知・記 憶・注意力)障害を軽減する照射法を見いだし,QOL の向上に向けた研究を実施した。 脳局所照射領域の毛細血管密度の変化を計測するため,認知機能の低下を生じさせる線量(30Gy)を半脳に照射し,新たな測定法の定性および定量評価能力の検討を実施した。これまで炭素線10-30Gy照射により,照射1週間後から注意力の低下が生じることを明らかにし,脳内毛細血管密度への影響を解析したところ,照射1週間後から,記憶に重要な海馬領域(Hippocampas)および大脳皮質(Cortex)の毛細血管密度が低下し始めることを光学的に確認した。また照射12週間後では,非照射側の海馬領域の毛細血管密度の低下が生じており,照射影響が脳全域に広がることが示唆された。照射1週間後において定量が可能ということが判明したことから,この評価法によって,線量依存性を示すことができるかについて検討するため,10 -60 Gy照射を行なった。 その結果,照射1週間後において,10-30Gyでは線量依存性が認められるものの,60Gy照射では血液脳関門の破綻および血管透過性亢進によるものと考えられる要因によって,バックグラウンドの増加が生じ,定量性が確保できないことが判った。また脳内毛細血管密度を指標に検討したことにより,炭素線により脆弱性を示す脳内部位があることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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