2010 Fiscal Year Annual Research Report
臨床実用化に向けた複数分子同時イメージング技術の開発と優位性の評価
Project/Area Number |
22611017
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
本村 信治 独立行政法人理化学研究所, 複数分子イメージング研究チーム, 研究員 (20360654)
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Keywords | コンプトンカメラ / 半導体検出器 / 放射線計測 / 核医学 / ガンマ線イメージング / 複数分子同時イメージング |
Research Abstract |
研究代表者らが現在開発を進めている半導体コンプトンカメラ「GREI」を用いたガンマ線撮像に関する諸性能を評価し、複数分子同時イメージング法のヒト臨床への応用を目指した撮像技術の確立と、既存の核医学撮像手法に対する位置づけを明確化することを目的とし、平成22年度はモンテカルロシミュレーションの手法を用いた人体深部における到達可能な空間分解能の評価と、実際にGREIのプロトタイプを用いて撮像実験を行うためのRIファントムの検討を行った。放射線検出器のモンテカルロシミュレーション・ツールキットとして実績のあるGEANT4を用い、放射性核種による内部被ばくの評価に汎用されるMIRDファントムを人体モデルとし、その周囲に複数配置したGREIをモデル化した。このプログラムコードの実装に際し、本研究費で購入した電子計算機上で並列計算環境を構築し、計算速度が従来の約7倍に向上したため、複数台のGREIのさまざまな配置に関して効率良く検討を遂行することができた。その結果、使用可能なGREIの台数に制限がある場合には、人体の周囲にリング状に配置するよりは、平板型のアレイ状に配置した方がより高効率・高空間解像度のガンマ線撮像が可能であることが明らかになった。この平板アレイ型のGREIの配置でモンテカルロシミュレーションを行い、人体深部におけるガンマ線源の3次元画像化で到達可能な空間分解能を評価した結果、約2mmの空間解像度の画像化が可能であることが分かった。従来は、必要な視野が大きいことや散乱線の影響のため、コンプトンカメラによる人体撮像では高い空間解像度を得ることは困難と考えられ、ほとんど定量的な検討はなされていなかったため、この結果は臨床用装置の実現に向けた重要な情報である。また、撮像実験用のRIファントムとしてNEMA ICEの人体ファントムを採用し、プロトタイプによる検討を開始した。
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Research Products
(4 results)