2011 Fiscal Year Annual Research Report
臨床実用化に向けた複数分子同時イメージング技術の開発と優位性の評価
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22611017
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
本村 信治 独立行政法人理化学研究所, 複数分子イメージング研究チーム, 研究員 (20360654)
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Keywords | コンプトンカメラ / 半導体検出器 / 放射線計測 / 核医学 / ガンマ線イメージング / 複数分子同時イメージング |
Research Abstract |
研究代表者らが現在開発を進めている半導体コンプトンカメラ「GREI」を用いたガンマ線撮像に関する諸性能を評価し、複数分子同時イメージング法のヒト臨床への応用を目指した撮像技術の確立と、既存の核医学撮像手法に対する位置づけを明確化することを目的とし、平成23年度は人体が存在する条件を考慮したファントムを用いて撮像実験を行い、現有装置による撮像性能を評価するための撮像データを収集した。この結果を放射線検出器のモンテカルロシミュレーション・ツールキットであるGEANT4を用いて生成したデータと比較したところ、両者の間に顕著な差異は無く、モンテカルロシミュレーションによる評価の有効性を確認した。また、実際にGREIを用いて撮像したデータから3次元の再構成画像を生成した。この3次元画像再構成には10時間程度の計算時間を要したため、今後の研究計画の効率的な遂行の妨げになると考えられた。そこで、3次元画像再構成法の改良による計算時間の短縮に関する検討を開始した。特に、並列演算を導入することにより計算時間の短縮が可能であることが示され、今後の3次元の再構成画像を用いた評価の効率化が期待された。さらに、GREIの撮像システムについても見直しが行われ、特に高強度のガンマ線源に対する撮像性能が向上し、従来の10倍以上の撮像時間の短縮が達成された。これらの性能の向上により、今後の研究計画の遂行において、モンテカルロシミュレーションと撮像実験の両手法を用いた検討の効率化が期待された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の撮像実験との比較からモンテカルロシミュレーションによる評価の有効性が確認され、また、3次元画像再構成法とGREIの撮像性能の向上による今後の研究計画の効率的な遂行が期待されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、さらに撮像時間を短縮し、GREIの撮像性能の評価を効率的に行うため、複数台の撮像ヘッドを組み込んだ装置を用いて研究計画を遂行する。また、モンテカルロシミュレーションの手法を活用し、GREIで達成可能な撮像性能の評価を行う。
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Research Products
(3 results)