2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経PET測定における装置間差補正と定量解析の精度向上に関する研究
Project/Area Number |
22611019
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
織田 圭一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70224235)
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Keywords | PET / 装置間差補正 / 脳神経 / FDG / 標準化 / 定量測定 |
Research Abstract |
今年度は、前年度に実施した直径15cmの円筒型ファントム及び人の脳に似た構造を持つ立体ファントムを用いた、6施設9台のPET装置の実験結果を更に詳細に解析した。円筒ファントムの関心領域(ROI)による解析に加え、立体ファントムの画像演算によって評価を行った。円筒ファントム画像のROI解析の結果、一部の施設で定量値が著しく低い値を示した。その装置について、撮像条件等を再調査したが、定量値が低下した原因は解明できなかった。立体ファントムを使った解析は、CT画像から作成した擬似PET画像を基準画像として、各PET装置で得られた画像を線形変換による位置合わせ及び全脳平均による標準化後に差分画像を作成する方法で行った。PET装置の視野外にある肺、心臓、肝臓から由来する放射線の影響が大きかった装置について、改良した不感時間補正法(dead time correction)を適用した結果、円筒ファントムの場合は改善の効果が見られたが、立体ファントムの場合補正の効果が不十分であった。従って、この装置で人の脳PETの場合には、改良不感時間法を適用することは適切ではないことがわかった。視野外の放射線の影響が少ないPET装置であれば、装置間での差は小さく、多施設共同研究のためPET画像を相互に比較することは合理的である。しかしながら、この影響が無視できない程大きい装置を含めると、多施設共同研究のために解決すべき問題は多い。また、標準化処理によって、一部の装置で画素サイズが実サイズと異なることが判明した。この装置の場合、画素サイズは実サイズより2.7%小さいため、MRIと位置合わせしてフュージョン画像を作成すると、PET画像がMRIよりも視覚的にわかるほど小さく表示された。そのような装置の場合も多施設共同研究に障害があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回調査したPET装置の中に、著しく視野外からの影響が大きい装置があるだけではなく、定量値が著しく不正確であったり、画素サイズが実サイズよりも小さくなるという想定外の装置が見つかり、更に詳細な調査が必要になったため、当初の計画よりも若干の遅れがでた。
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Strategy for Future Research Activity |
ファントム実験で得られたデータに加えて、臨床データを考慮した装置間差補正法を確立する。この場合、施設独自のノーマルデータベース(NDB)を有している施設とNDBを有していない施設では異なる補正法を用いる。前者の場合、それぞれのNDBの比を基に補正用画像を作成することで装置の差を補正し、後者の場合、ファントム実験によって得られたデータを基に補正用画像を作成する。それぞれの方法による装置間差補正を検証し、最終的に論文として投稿する。
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Research Products
(2 results)