2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトバイオマス完全糖化を目指したデザイナブルセルロソームの基盤研究
Project/Area Number |
22612001
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三宅 英雄 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (50362364)
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Keywords | セルロソーム / セルロソーム骨格タンパク質 / Clostridium cellulovorans / CbpA / CbpB / プロテオーム / キシラナーゼ / Clostridium acetobutylicum |
Research Abstract |
今年度は、セルロソームを再構築するために必要な酵素遺伝子を探索するために、多糖類に対するプロテオーム解析を京都大学大学院農学研究科の黒田准教授と共同で行った。炭素源にセロビオース、結晶性セルロースであるアビセル、ヘミセルロースであるキシランを用いて、セルロソーム構成タンパク質のプロファイルを明らかにした。この結果、既知のセルロース分解関連酵素だけでなくペプチダーゼやペプチダーゼインヒビター、機能未知のタンパク質が生産されていたという興味深い知見も得られた。 酵素サブユニットが結合する足場タンパク質であるCbpA,CbpB遺伝子をサブクローニングした。はじめに組換え体を用いてもセルロソームを再構築することが可能か調べるために、大腸菌の発現系を用いてCbpAよりも小型なCbpBの組換え体と上記のプロテオーム解析からセルロソームを形成することが可能な酵素サブユニット(EngH, EngL, ManA, ManGh26C, XynA, XynB, XynGH8, Pell, PelA)を作製した。CbpBに関しては、糖質結合モジュールが含まれているので結晶性セルロースに対する結合力の評価を行った。その結果、K_<d>値は、0.82μMと比較的強い結合力を示した。セルロソームの再構築の検証は、酵素サブユニットが結合しないN末端側にグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)が付加した融合タンパク質を調製し、GSTが付加したCbpBと酵素サブユニットの結合力の有無をGSTプルダウンアッセイで検証を行ったところ、XynBはCbpBに結合することが確認された。ManAに対しても同様の結果が確認されており、作製済みの他の酵素サブユニットについても現在検証を行っている。以上の結果からCbpBは、結晶性セルロースに強固に結合し、酵素サブユニットとも結合することができる。よってC.cellulovoransは、足場タンパク質にCbpAを含む巨大なセルロソームを構築するだけでなく、1種類の酵素サブユニットを搭載可能な足場タンパク質であるCbpBを含むセルロソームを発現することが明らかになった。現在、ブタノール生産菌であるC.acetobutylicumに対してもCbpA, CbpB遺伝子を組込んだ発現プラスミドを構築し、形質転換を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロテオーム解析からセルロソームを構築するのに必要な酵素などのタンパク質の候補を決定することができた。また大腸菌を使った組換え体でセルロソームの再構築を検証することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として、最小の新規セルロソームを発見し再構築を確認することができたので、足場タンパク質であるCbpAをベースとした最大のセルロソームの再構築を試みる。大腸菌発現系では分子量の大きいCbpAの発現に成功していないため、次年度は同じClostridium属であるC.acetobutylicumのホスト-ベクター系を用いてCbpAの発現を試みる。
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Research Products
(10 results)