2010 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドPET所見と神経心理学的検査に基づいた早期認知症患者背景疾患の分析
Project/Area Number |
22613002
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武地 一 京都大学, 医学研究科, 講師 (10314197)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 裕之 大阪市立大学, 医学研究科, 講師 (90254391)
安宅 鈴香 大阪市立大学, 医学研究科, 研究医 (40549755)
濱川 慶之 京都大学, 医学研究科, 助教 (50422960)
|
Keywords | アルツハイマー型認知症 / アミロイド / PIB-PET / 神経心理学的検査 |
Research Abstract |
臨床的にアルツハイマー型認知症(AD)と診断される症例の中に病理的には嗜銀顆粒性認知症、神経原線維変化型認知症等が含まれることが指摘されている。最近、ADの新しい診断方法としてPETを用いたアミロイドイメージングPIB-PETが開発されたが、ADと診断される症例においてPIB-PET陰性例が一定の割合で存在する。ADと臨床診断した症例のPIB-PET陽性群と陰性群の臨床知見比較により、病理的にADとは異なる疾患の臨床的特徴が明らかになる可能性がある。今回、PIB-PET施行例に対し、神経心理学的検査の詳細な解析を用い、そのパターンが異なる群を抽出できる可能性があるという仮説のもと研究計画を立案し実施した。PIB-PETを行った対象は大阪市立大学を受診し、臨床症状からAD/aMCIが疑われPIB-PET studyならびに認知機能検査を行った連続64名。PIB-PET施行群と同じ神経心理学的検査を行う群として京大病院を受診し、臨床的にAD/aMCIと診断した554名の患者のうちMMSEが18点以下の者114名、認知機能検査すべては受けなかった者154名を除いた286名(75歳未満109名、75歳以上177名)。AD/MCIと診断した症例の中にPIB陽性例と陰性例があることから、その特徴を更に詳しく解析するために認知機能検査結果パターンを詳細に解析した。その結果、PIB陽性例と陰性例、それぞれの全体を比較した段階では有意差を認めず、両者の特徴を更に詳しく調べるため、PIB陰性例には幾つかの疾患が含まれる可能性を考え認知機能検査結果のパターンに着目して解析を行ったところ、AD/MCIとして典型的と思われる認知機能検査結果パターンから外れる幾つかのタイプが見られた。PIB陰性に含まれるタイプにはtype 1:認知機能低下の中でも近時記憶低下が目立つタイプ、type 2:視空間認識や遂行機能低下が目立つタイプ、type 3:近時記憶はむしろ保たれているタイプがあり、特にtype 1, type 2はPIB陰性に特異的な可能性があった。
|