2011 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドPET所見と神経心理学的検査に基づいた早期認知症患者背景疾患の分析
Project/Area Number |
22613002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武地 一 京都大学, 医学研究科, 講師 (10314197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 裕之 大阪市立大学, 医学研究科, 准教授 (90254391)
安宅 鈴香 大阪市立大学, 医学研究科, 研究医 (40549755)
濱川 慶之 京都大学, 医学研究科, 助教 (50422960)
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Keywords | アルツハイマー型認知症 / アミロイド / PIB-PET / 神経心理学的検査 |
Research Abstract |
今回の研究申請までに行ってきた研究で、病歴、身体的所見、MRI画像、基本的な認知機能検査においてAD/MCIと診断した症例の中にPIB陽性例と陰性例があることから、その特徴を更に詳しく解析するために認知機能検査結果パターンを詳細に解析していた。その結果、PIB陽性例と陰性例、それぞれの全体を比較した段階では有意差を認めず、両者の特徴を更に詳しく調べるため、PIB陰性例には幾つかの疾患が含まれる可能性を考え認知機能検査結果のパターンに着目して解析を行ったところ、AD/MCIとして典型的と思われる認知機能検査結果パターンから外れる幾つかのタイプが見られた。今回の研究ではその事実を確認するために、認知機能検査においてPIB陰性が予測されるパターンの場合、実際にPIB検査を行ってどのような結果が得られるかが焦点である。昨年度までに22例の症例でPIB-PET検査を行った。臨床診断におけるADかAD以外(前頭側頭葉変性症、正常圧水頭症など)かという判断とPIB検査の結果は比較的一致が見られた。特に歩行障害などが明確でない症状の軽い正常圧水頭症と初期のADの鑑別にPIB検査を行うことが有用であると考えられ、学会報告も行った。前頭側頭葉変性症についても報告を行う予定である。一方、臨床的にはADであるがPIB陰性という事例も含まれており、先行研究で予測していたことが実証できる可能性が示された。しかし、先行研究で予測していたようなPIB陰性が予測される認知機能パターンであってもPIB陽性である症例も見られた。認知症治療薬であるドネペジルを内服していることの影響も考えつつ今年度はそのような症例を更に蓄積していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
認知機能検査を行いPIB陰性が予測されるパターンの抽出を継続して行っている。そのようなパターンの患者が見つかった際、PIB-PETを行うようにしており、予測と結果が一致するか検討を継続している。予想よりは推測と一致しない症例も多いが、その原因を考えつつ、症例蓄積を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究推進していく中で、予備的段階の研究でタイプ分けをする際に認知症治療薬を服用しているかどうか厳密に区別していなかったが、認知症治療薬がタイプ分けに影響している可能性もあり、今後はその点にも注意して症例の蓄積と解析を行っていく予定である。また、認知機能によるタイプが、1年ごとの検査で縦断的に変化するものであるかどうかも、背景病理は変化しないと仮定すると重要な点であり、その点も検討を行っていくことを考えている。
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