2012 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドPET所見と神経心理学的検査に基づいた早期認知症患者背景疾患の分析
Project/Area Number |
22613002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武地 一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10314197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱川 慶之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50422960)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー / アミロイド |
Research Abstract |
前年度までに蓄積したデータを用いて、アルツハイマー型認知症(AD)が疑われる場合と、正常圧水頭症(iNPH)の可能性がある場合に着目し、分析ならびに学会報告(日本老年医学会、2012年、東京)を行った。その意図としては、もの忘れを主訴として外来を受診し尿失禁や歩行障害は認めず、病歴や認知機能検査からADを疑うが、MRI画像でiNPHを疑う症例が少なくなく、それが一定の割合でPIB陰性認知症に含まれると考えられたからである。この解析には主として、脳脊髄液バイオマーカーを用いた。対象は当院もの忘れ外来を受診し、歩行障害などを認めずiNPHとADの鑑別が困難と判断した7例(NPH群)と対照としてADを背景にした軽度認知障害(MCI群)を疑って精査を行った10例。認知機能検査、MRI検査に加え、Timed Up and Go検査(TUG)、脳脊髄液(CSF)のバイオマーカーを測定した。その結果、NPH群の年齢、MMSE、TUGは75.3±5.2、24.4±1.5、12.6±3.7、MCI群では、それぞれ73.8±5.0、25.2±2.8、10.9±1.5で、いずれも両群に有意差を認めなかった。NPH群では全例でMRI上、側脳室拡大、高位円蓋部脳溝狭小化、シルビウス裂の開大などを認めたが、MCI群ではそれらの所見を認めなかった。CSF検査においてNPH群とMCI群の比較においてAβ40、Tau、pTauでは両群に有意な差を認めた。今回のNPH群は全例で非ADパターンのCSF結果を示していた。この結果から、従来であればADあるいはiNPH疑いであるが、どちらとも診断しかねて診断保留とした症例で、CSFバイオマーカーを用いることにより、少なくともADの可能性が低いと診断できる一群の症例があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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