2011 Fiscal Year Annual Research Report
安静時/課題遂行時の脳血流・酸素代謝MRI定量法―疲労の脳内機序解明に向けて
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22613003
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
豊田 浩士 独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ動態応用研究チーム, 研究員 (10558084)
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Keywords | MRI / 局所脳血流量 / 疲労 |
Research Abstract |
本研究においては、ヒトの疲労の脳内メカニズムの解明に向けて、MRIを用いた非侵襲的脳機能定量法を確立し、安静時および疲労負荷時を通じての脳機能モニタリングを可能にする。これにより疲労に関連した脳領野を同定し、それら脳領野間の機能連関を探ることが本研究の目的である。 研究実施計画の項目1.「MRIを用いた安静時の局所脳血流量、酸素代謝率の定量法の確立」に関しては、昨年度までに開発されたそれぞれの撮像方法により、安静時における脳血流量、および、酸素摂取率の定量測定が可能になったが、定量性向上のための改良の余地を残し、また、実用のための最適化の必要性もあった。これら課題は当初の想定とは異なる方法を用いて遂行できた。現在、具体的な研究成果に結びつけるための作業を進めている。 研究実施計画の項目2.「健常人ボランティアを対象に疲労負荷課題を施行して、疲労関連脳領野を同定する」計画に関しては、上記項目1の定量法が開発され、方法論的に確立されてから本年度施行する中心課題として本格的に実施する予定であった。実際にはMRI装置のハードウェアの状態不良が障害となり実施が遅れているのが現状である。 研究実施計画の項目3.「安静時,疲労負荷課題遂行時の両相における、脳領野間の機能連関・結合性の評価」に関しては、来年度の実施へ向けての準備を行うことであった。現在は予備的実験段階にある。今年度中に、計測・解析両面からの方法論上の準備を整え、来年度に本実験の実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、当施設におけるMRI装置はハードウェア上の不具合により正常に利用できない状況にあり、そのために特に実験実施段階での遅れが生じていることが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は残された課題の実施に力点を置き研究を進めて行く。研究計画の変更予定はない。現状における研究遂行上の問題としては、当施設におけるMRI装置の故障の問題があるが、その対応策として、外部の実験環境も利用して実施していく必要があり、その準備を進めている。
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