2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22614002
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関 由起子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30342687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 智子 国立がん研究センター, がん対策情報センター, 室長 (20362957)
八巻 知香子 国立がん研究センター, がん対策情報センター, 研究員 (60392205)
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Keywords | 慢性疾患 / 病弱教育 / 校外連携 / 教育格差 |
Research Abstract |
(1)健康、就労、教育における格差問題に関する文献研究 海外(フィンランド)の特別支援教育について文献等での研究を行った。その結果、特別支援教育制度の中で支援が必要とされる子どもたちが判定され、十分な人的支援(選任の補助者が常時学校で支援を行う)、専門分野間の連携が行われていた。人材は国の資源、子どもは国の宝という理念の基、全ての子どもたちの、その子どもたちに応じた自立を目指す施策が有効に機能していたことが明らかになった。国内の状況では、学校教育において、ヘルスリテラシー形成に直接的に影響を及ぼす保健教育は重要視されていないという現状が明らかになった。 (2)青年期のヘルスリテラシーの関連要因に関する研究(量的研究) 4市町村に在住する住民への無記名自記式質問紙調査のデータ(20歳代のみ)を分析した。その結果、自分自身のヘルスリテラシーは学歴と強い相関が見られ、学歴が低いほどヘルスリテラシーは低かった。一方、誰かの力を借りて信頼ある情報を見つけ理解することが出来る力は、主観的健康度が良くない場合、情報的サポートがより得られる場合に高いことが明らかになった。 (3)こどもの障害と教育に関する研究(質的研究) 「普通学級における病気をもつ子どもの受け入れの現状と課題」と題する講義に参加した養護教諭41名を対象とし、講義後の感想文およびレポート分析から、普通学級で病気の子どもを受け入れるための養護教諭の課題を抽出した。その結果、病気を持つ子どもたちの存在、抱える問題を教員が理解していない現状があると共に、支援のための校外連携がほとんど行われていないこと、校内連携でさえ養護教諭の地位の低さから機能しないこともあることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.研究費の執行が年度後半となり、研究の進行に支障が生じた。2.本研究の成果は学会や、学内の研究会、現職教員向けの研修会等にて発表しているものの、雑誌論文にはなっていない。理由は、まとまった時間が取れず論文作成に時間がかかり、投稿時期が遅かったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果の一部は、今年度国際学会(XXX International Congress of the World Federation of Hemophilia)にて発表予定。また、慢性疾患を持つ子どもへの自立支援のために、教育、保健、医療、福祉関係者との実践に向けた研究会を開始予定し、さらに海外での調査も検討中。論文化については、量的データ、質的データの収集は順調に進んでいるので、時間を確保し、早急に執筆する予定。時間の確保方法としては、実習引率等による学外での活動や、膨大な事務作業を一部分担してもらえるように働きかけた。
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Research Products
(3 results)