2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会的排除層の自立支援に取り組む日本型社会的企業モデル構築に関する実証的研究
Project/Area Number |
22614005
|
Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
大高 研道 聖学院大学, 政治経済学部, 准教授 (00364323)
|
Keywords | 社会的企業 / 社会的排除 / 自立支援 / エンパワメント / コミュニティ形成 / 正統的周辺参加 / 移行研究 / 社会教育 |
Research Abstract |
H22年度の中心的な研究内容は、社会的企業の全国的動向把握にむけた組織調査である。具体的には、協同組合運動を基盤としたワーカーズ・コレクティブと労働者協同組合の調査を実施した。前者は、障がい者および社会的引きこもり支援を行っている首都圏の実践、後者は若者自立支援事業に取り組んでいる実践へのヒアリングを通して、就労困難者の就労(参加)実態に即した労働統合機能の類型化を試みた。これらの成果の一部は、日本協同組合学会シンポジウムおよび日本社会教育学会で報告し、その一部をまとめた論考を日本協同組合学会誌に投稿した(現在、査読中)。また、研究協力機関である協同総合研究所と共同で、労働者協同組合組合員意識アンケート調査分析にも着手し、その成果は、協同総合研究所報『協同の発見』に発表予定である。現場スタッフとの継続的な検討会は、アンケート方法や質問項目を見直す場にもなっており、実践的・包括的な全体像把握に向けた知的ストックを共有・開発する試みとして位置づけることができる。 社会的企業の実践には、東日本大震災によって壊滅的打撃を受けた東北地方をはじめ、深刻化する国内経済・雇用問題に対して地域住民が主体的・協同的にとりくむ地域再生・振興だけでなく、一部の専門家・知識人にリードされてきた既存の「知識基盤社会」から脱却し、地域住民の学習と対話に基盤をおいた(地域)社会形成の可能性が内包されている。そこで働くスタッフ・労働者に限定しない地域的協同性に基づいた社会的企業モデルの開発を通して、その今日的位置と役割を検討する作業はこれまで以上に重要になってくるものと思われる。
|
Research Products
(7 results)