2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22615012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 正人 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10134248)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 人間生活環境 / 場所レイアウト / 環境―行為系 / アフォーダンス / 定点観測 / 行為の柔軟性 / 家具 / 段差 |
Research Abstract |
ヒトの行為の特徴である多様性や柔軟性は、現代の認知科学の中心テーマのひとつである。本研究は行為の周囲を成す環境と行為の相互性、その成立や変化の過程に焦点をあてることで、行為のデザインと環境のデザインを一体に捉えることを目的とする。日常行為の理解、あるいは場所のレイアウトの設計に新しい具体的・実践的な知見を得ることを目指す。本研究は「場所」のアフォーダンスを以下の三つの場面で検討した。「場所」の動的生成過程を、生活場面における生活財の変遷と、縦断的観察によって記録・検討するために選択された場面である。第一は、新築の戸建て住居に、転居直後から約1年間の居間、台所の家具等生活財のレイアウトの変遷、それらの使われ方、またその変遷の長期持続的記録を行った。レイアウトの変遷から行為における習慣の創発過程を検討中である。データの分析を進めている。第二は、高次脳機能障害者(行為のプランに障害が指摘されている)が、調理のリハビリで卵を割る過程を観察した。卵を操作する前の、きわめて長い、食卓上の環境の改変(器、道具などのレイアウトの変更)行為を観察し、それらを行為の単位に分節化する作業を行った。データの分析が進み本年度中に学会誌に投稿予定である。第三に関連研究として、0-1歳乳児の育った屋内の9つの段差における行為の発達を分析し、多数の段差と長く関わることが行為の発達にもたらすことについて、学会誌論文を作成し、掲載された。食卓上の長期のモノの痕跡の記録など、新しい観察の場面を開拓した。当初から企図した場所アフォーダンスの解析について、有意義なデータと、分析方法の探索と、この種の行為と場所の関係から生ずる両者の変化を縦断的に見ていく研究の可能性を確認しえた。この主題は継続して行い。より実践的な家屋内の行為研究の可能性を探求する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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