2011 Fiscal Year Annual Research Report
実物大・実操作可能な3Dスケッチに基づくデザイン環境の実証的研究
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22615015
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田野 俊一 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (50282918)
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Keywords | 創造的活動支援 |
Research Abstract |
平成23年度は、まず、平成22年度に構築した「シースルー型立体視HMDと超音波に基づく広域位置センサ」システムを基本に、さらに、高精度、多人数対応にするために拡張を行った。具体的には、広領域対応の磁気センサを追加し、超音波に基づく広域位距センサと相互補完するシステム構成とすることにより、精度の向上を行った。また、大画面を3分割し、分割した画像をシースルー型立体視HMDに対応付け動作可能とする構成を考案し、その結果、1台のPCで、6台のシースルー型立体視HMDの同時描画・制御を可能とし、6人での協調的デザインを可能とした。 次に、(ii)複数人で協調的に行うデザインを対象に、プロのデザイナにより行う実験の検討を行った。デザイナの行動分析(試行錯誤)、デザイン結果の質の評価(従来のデザインと比べて向上したか)、「抽象性と実体性の融合」の効果について、実験方法を検討した。具体的には、デザイン課題として、大規模プラント(発電所を想定)のオペレータルームのデザインへの適用を考案した。情報機器の進展により、プラントルームの設計は自由度が大きいものの、実際にモックアップを作ることは困難であるため、現在のところ頭の中で想像しながらレバー、ボタン、警報機器等の配置を決めているのが実情である。十分な検討がされておらず、社会的な安心・安全に直結する重要な問題であると判断した。 以上の平成23年度の実施事項により、平成24年度に行う総合評価の準備が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「9.研究実績の概要」に記載したように、まず、平成22年度のシステムの高精度化、多人数化等の改良に時間を要したので、実験に関しては、実験手法の検討に留まった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、「(C)実デザイン現場での応用性確認」を実施する。 評価は、平成23年度実施した(i)単独で行うデザインに引き続き、(ii)複数人で協調的に行うデザインを対象に、プロのデザイナにより行う。デザイナの行動分析(試行錯誤)、デザイン結果の質の評価(従来のデザインと比べて向上したか)、「抽象性と実体性の融合」の効果について、ビデオ分析等の評価を行う。 特に、「(ii)複数人で協調的に行うデザイン」に関しては、大勢でデザインを行うことが多く、さらに、そのデザインの成否が社会的な安心・安全に直結する大規模プラント(発電所を想定している)のオペレータルームのデザインに適用する。情報機器の進展により、プラントルームの設計は自由度が大きいものの、実際にモックアップを作ることは困難であるため、現在のところ頭の中で創造しながらレバー、ボタン、警報機等の配置を決めているのが実情である。本システムにより、スケッチによりデザインを繰り返して吟味することが可能となるとともに、操作しやすいか(レバーまで手が届くか)、緊急停止ボタンを押す時に、警報パネルが見えるかなど、操作についても確認することが可能となり、安全なシステムの実現をもたらすと期待している。 その後、研究課題に対する3年間のまとめや総合評価を行う。
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