2011 Fiscal Year Annual Research Report
多文化共生のデザイン:国際教育時代における学生宿舎の建築学的研究
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22615021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 在乃 京都大学, 理学研究科, 講師 (20467442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 みさ子 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (30340615)
河合 淳子 京都大学, 国際交流センター, 准教授 (70303922)
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Keywords | 留学生 / 異文化教育 / 集合住宅 / 寮 / 中国人 / ヴァナキュラー建築 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
関西圏の留学生のグループ、および中国人の留学生のグループに対する質問紙調査を行い、その結果をクロス集計、因子分析および共分散構造解析によって分析し、それぞれ論文にまとめた(前者は学術誌掲載決定、後者は査読中)。関西圏の留学生については、国立大学と私立大学における留学生の生活状況の違い、またそれに起因すると思われる住宅選びの重視事項の違いなどが明らかになった。中国人留学生のグループに関しては、国費奨学金受給者の割合が低いためか、アルバイトに費やす時間が依然として大きいことが判明した。また1970年代からの人文・社会科学分野も含めた先行研究の結果を調査したところ、1990年代前半から現在にかけて、中国人留学生の生活状況が著しく変化したことがわかり、それに起因すると思われる住宅嗜好の変化も、質問紙調査の結果として表れていた。 さらに、異文化の住環境への理解と適応力を確認するため、留学生と日本人学生をほぼ半数ずつ含む146名の学生に対して、日本の伝統建築についての予備知識、訪問経験、留学後の理解などに関する質問紙調査を行った。その結果、留学生と日本人には差はなく、地域固有の文化や環境に対する興味によって大きく差が出ることが判明した(論文投稿済、査読中)。 今年度も訪問調査は継続中であり、国際教養大学、秋田大学、岡山大学において、留学生寮の管理者への聞き取り調査の他、留学生の出身国の伝統的な住環境を調べるため、タイ、ベトナム、韓国において伝統的な住居についての実測調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度は交付金が当初減額支給されたため、夏期休業期間中に行うべく準備していた海外の大学寮の調査をキャンセルせざるを得なくなり、予定が狂ってしまった。海外の大学とは学期や休業期間がずれており、こちらが授業期間外で出張可能、かつ先方の大学に学生がいる時期でないと成立しない調査であるため、訪問先との日程の調整が非常に難しい。9月下旬に追加交付の連絡を受けたが、その時点ではすでに再手配は間に合わず、改めて当初予定を実行することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度(最終年度)においては、これまで収集したデータの足らない部分を補って完成することに最も力点を置く。学術誌への発表のみならず、留学生宿舎問題を担当する全国の教職員が参照しやすい文献としても完成させる。
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Research Products
(6 results)