2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビデオエスノグラフィーによる介護施設内生活デザインニーズ探索
Project/Area Number |
22615024
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
櫛 勝彦 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (30324726)
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Keywords | デザイン学 / エスノグラフィー / 人間中心設計 / プロダクトデザイン / 観察 |
Research Abstract |
本研究は、核家族・高齢化社会における介護行為に関わるサービス・環境・機器のあり方をデザインシンキング手法、特にビデオエスノグラフィーの応用によって見直し、老齢者の生活、介護士・看護師の労働行為双方の量・質の改善に向けたニーズの解明と問題解決への指針を示すことを目指している。 22年度においては、観察対象となる老人介護施設との信頼・協力関係を築き、ビデオ観察が行える環境整備を目標とした。まず、京都市内施設への協力要請を京都市高齢者施設協議会を通じて行った。その過程で、同協議会理事会への研究計画の説明と協力要請を2度に渡って実施した。その後、協議会からの推薦施設リスト取得後、リストにある施設の訪問調査を行い、通所サービスを行う地域密着型小規模多機能施設「十四軒町の家」と特別養護老人ホーム「はなぞの」の2つを本研究の中心観察対象と定めた。2施設側での、打合せ・説明会を数度行い、基本了承を得た後、施設利用者である高齢者からの調査同意書を得る作業に移ったが、両者の事情の違い等もあり、現状としては、両施設とも同意書がほぼ回収されつつある状況であるが、ビデオ観察着手には至っていない。ただ、この同意を得る過程で、施設利用高齢者あるいはスタッフと、当方との間の対面コミュニケーションが予定を超えて頻繁に行われることとなり、生活実態を深く理解する上で、重要な調査過程となった。 上記以外、先端事例として新潟県の小規模多機能兼特別養護老人ホーム「摂田屋」、有料老人ホーム「サンロイヤル新潟」での訪問調査を実施したが、ヒューマンインタフェース学会主催の関連シンポジウム参加は、23年3月の東北地方震災の影響により会が実施されず行えなかった。
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Research Products
(5 results)