Research Abstract |
本研究は,製品音のデザイン,サイン音のデザイン,サウンドスケープ・デザイン,映像の音のデザインなど多方面に関わる音のデザイン分野に関して,多角的な調査研究,印象評価実験を実施し,音のデザインの必要性を示し,どのようにデザインすれば音を効果的に利用できるのかのデザイン指針を示すとともに,「音のデザイン」の重要性を広報することを目的としています。 研究代表者と分担者は,日本音響学会内に音のデザイン調査研究会を設立し,企業および大学の研究者とともに「音のデザイン」の必要性,可能性,将来性を広報するために,秋季研究発表会においてスペシャルセッション「製品音のデザイン」,春季研究発表会においてスペシャルセッション「サイン音のデザインーメッセージを伝える音を操る術-」を開催いたしました。 公共空間において万人が利用しやすい各種のサイン音のデザインの研究の一環として,分散和音を利用したサイン音デザイシの研究,自動車の警笛の最適なデザインに関する研究に取り組みました。 また,音環境と人間の関わりを考察する研究の一環として,若者などに広く利用されている携帯型音楽プレイヤーでの音楽聴取における音量を調査し,さらにその男女差について検討し,今後の音環境デザインのあり方を考える上での有益な知見を得ました。 公共空間での音環境デザインに関する研究の一環として,静かすぎで危険との指摘があるHV車や電気自動車にその存在を知らしめる近接報知音を付加することに対する意識調査とそのデザイン方策の研究にも取り組み,現状を明らかにしました。 映像メディアにおける音のデザイン研究として,実際の映像作品における音と映像の調和感ならびに印象の連続測定を行い,音が映像作品の印象に及ぼす影響を,これまでにない視点で検討しました。また,映像メディアにおいてユーモア感を演出するための音のデザインに関する研究にも取り組みました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
音のデザインに関する各分野の内,映像に組み合わされる音のデザインの研究,サイン音のデザインに関する研究に関しては,2011年度にそれぞれに関する著書を出版することができた。また,音のデザインに関連する,音質評価に関する著書も,2010年度に出版している。さらに,日本音響学会内に音のデザイン調査研究会を設立し,スペシャルセッションを3回企画し,音響学会誌で「音のデザイン」の小特集に,研究代表者を含む調査研究会のメンバーで寄稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
各種の音のデザイン分野に関する研究は,さらに推し進め,成果を学会等で発表して行く予定である。さらに,音のデザインに関しての広報活動も積極的に推進していく。研究代表者は,日本入間工学会第53回大会人間工学会において,「音環境の安全と安心と快適性をつくる」と題したシンポジウムを開催し,音のデザインの重要性を訴える予定である。研究代表者が委員長を,研究分担者が幹事を務める日本音響学会音のデザイン調査研究会のメンバーを中心として,共著で「製品音の快音デザイン」に関する著書を出版予定である。研究代表者,研究分担者は,本書の監修も担当している。日本音響学会音のデザイン調査研究会では,さらにスペシャルセッション等を企画し,音のデザインの重要性を広く広報して行く予定である。
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