2010 Fiscal Year Annual Research Report
個人向け輸送機器の新たな価値を提供するデザイン評価・診断システム開発研究
Project/Area Number |
22615031
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Research Institution | Kumamoto Industrial Research Institute |
Principal Investigator |
石橋 伸介 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), ものづくり室, 研究員 (40529195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20243975)
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (50437745)
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Keywords | デザイン評価 / 個人向け輸送機器 / デザイン支援ツール / 可視化 / 感性 |
Research Abstract |
個人向け輸送機器の置かれている現状を把握するため、まずは国内外の事例の収集および現地調査を行った。事例調査の結果、"若者のクルマ離れ"、"交通とエコロジー"、"自転車シェアリング"といったキーワードが抽出された。「若者のクルマ離れ」では、若い世代の自動車やバイクに対する興味・関心が著しく低下しており、その要因として購買力の欠如、趣味の多様化、都心部固有の要因などが挙げられている。また、「交通とエコロジー」では、近年の環境に対する意識の高まりから、エコカーや低燃費車に人気が集中し、メーカー各社の開発競争が激化している。また、エコや健康を背景として通勤・通学、趣味で自転車を利用する人が急増し、特に都心部を中心に自転車ブームが起きている。それと関連して「自転車シェアリング」というシステムが全国各地で導入もしくは導入に向けた社会実験が実施されており、今後の新しい交通システムとして注目されている。 さらに、実際のユーザーの声を集めるため、アンケート調査を実施し「パーソナルモビリティ」に対するユーザーの価値観について比較分析を行った。その結果、パーソナルモビリティユーザーの多くが、道路環境や歩行者や自動車の交通マナーに対して不満を抱いており、専用レーンの整備を望んでいることが分かった。また、ほとんどの人が「日常の足」として利用し「手軽さ」や「運転のしやすさ」といった実用性を重視しているのに対し、スポーツタイプ自転車のユーザーはそれらに加えて「走る楽しさ」に対しても重視しており、また、折り畳み自転車のユーザーは若い女性が多く「デザイン性」を重視しているなど利用するモビリティによる価値観の違いが見られた。 今後は、事例調査やアンケート調査の結果をもとに個人向け輸送機器の価値観をユーザー別に整理・分類することによって指標化し、評価システムの構築および価値構造の把握を目指す。
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Research Products
(3 results)