2011 Fiscal Year Annual Research Report
個人向け輸送機器の新たな価値を提供するデザイン評価・診断システム開発研究
Project/Area Number |
22615031
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Research Institution | Kumamoto Industrial Research Institute |
Principal Investigator |
石橋 伸介 熊本県産業技術センター, ものづくり室, 研究員 (40529195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20243975)
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (50437745)
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Keywords | デザイン評価 / 個人向け輸送機器 / デザイン支援ツール / 可視化 / 感性 |
Research Abstract |
都市部の若者を中心として自動車やバイク、自転車といった個人向け輸送機器に対するユーザーの意識は大きく変化してきている。そういった現状を踏まえ、本研究では、都市部で生活する20代から30代の若い世代が自動車やバイク、自転車といったパーソナルモビリティに対してどのような価値基準を持ってそれらを選択、利用しているのかについて把握するため、ユーザーアンケートおよびインタビュー調査を実施した。 ユーザーアンケートでは、個人向け輸送機器に関する意識調査として、日常の利用状況および利用環境について都市部に住むユーザー100名に回答してもらった。分析の結果、主な利用目的としては「通勤・通学」「ショッピング」といった実用的な内容で5km未満の短い距離での利用が大半を占めた。また、道路環境については約半数の人が何らかの不満を持っており、「路面状況の悪さ」や「マナーが悪い」などが主な意見であった。また、個人向け輸送機器に対して「運転のしやすさ」、「乗り心地」、「環境性能」といった要素を求めている人が多く、気軽に乗れて小回りの良さをメリットとして感じていることがわかった。また、逆に、天候に左右されることや安全性、駐車スペースの確保などをデメリットと感じている人が多いこともわかった。インタビュー調査では、20~30歳代の若い世代のユーザーにターゲットを絞り、自動車、バイク、自転車の各ユーザーにその利用実態や利用の動機、価値といった内容についてインタビューを行った。インタビュー結果を因果対立関係分析法、上位下位関係分析法を用いて、機能・心理・属性の分析図を作成し、それぞれの機器が持つベネフィットと属性との関係が明らかとなった。 次年度は、これらの結果をもとに評価指標の構築を進め、それを用いた評価実験を行う。さらに評価実験によって抽出された課題から、具体的なデザイン用件を導き出し、その有用性について検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
評価実験を年度中に実施予定であったが、協力先の企業との検討の結果、少し時期をずらして行うこととなったためその点について予定とのズレが見られるが、価値構造の把握や指標の構築といったそれ以外は予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、本研究課題の最終年度であるため、これまでの研究成果を活用した評価実験の実施とそこから得られる結果の有用性について検証を行うことを主な目的としている。
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Research Products
(1 results)