2012 Fiscal Year Annual Research Report
個人向け輸送機器の新たな価値を提供するデザイン評価・診断システム開発研究
Project/Area Number |
22615031
|
Research Institution | 熊本県産業技術センター |
Principal Investigator |
石橋 伸介 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), ものづくり室, 研究員 (40529195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究科(研究部), 教授 (20243975)
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究科(研究部), 准教授 (50437745)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | デザイン評価 / パーソナルモビリティ / デザイン支援ツール / 感性 / 価値構造 |
Research Abstract |
今年度は、これまでの研究成果のまとめとして、デザイン評価指標および評価手法の構築を行い、デザイン評価実験の実施、評価データの収集と分析、さらに評価結果の有用性について検証を行った。 まず、デザイン評価指標の構築では、昨年度実施したエンドユーザーへのアンケートおよびインタビュー調査から得られたキーワードに、自動車、オートバイ、自転車といったパーソナルモビリティに関連した雑誌から抽出したデザイン評価センテンスを基に、それらを分解、統合、整理し、最終的には、約600のデザイン評価指標を構築することができた。次に、パーソナルモビリティを評価するために、指標の選定から実際の評価までをどのような手続きで行うかについて検討した。まず、対象となるパーソナルモビリティの価値構造を把握するため、バリューツリーと呼ばれる価値要素の関係性を樹形図で表した表を作成し、その表と対応させながら指標を選定する。評価には、実車を使った方法と、2次元の写真やCG,イラストを使った方法の2種類があり、その時の条件によって選択または組み合わせて使う。集めたデータは数値化し、各評価項目を点数化して評価を行う。 ここまでに構築した評価指標および評価手法を用いて評価実験を実施した。評価実験には、実際に企業が開発を進めている電動カートをケーススタディとして、若い世代をターゲットにデータ収集を行った。実験の結果、「コミュニケーションが取りやすい」、「アクティブなイメージ」「気軽に乗れる」「操作が簡単」などのキーワードを得ることができた。ここで得られた分析結果をどのように活用するか、その有用性を検証するためのワークショップを行った。ワークショップには九州大学の学生に協力してもらい、分析結果をもとに「これからのパーソナルモビリティの在り方」というテーマで、それぞれデザイン提案をしてもらった。その結果、どの学生からもアイディアを展開するうえでのきっかけやコンセプトを決定していくプロセスで非常に参考になったとの回答を得ることができた。 今後は、引き続きデータの収集と検証作業を進め、指標を充実させていくことはもちろん、評価手法のブラッシュアップを行い、より実用性の高いデザイン評価・診断システムの構築を目指していく。,
|