2011 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル教科書による、教科書ユニバーサルデザインの研究
Project/Area Number |
22615037
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Research Institution | Aichi Prefectural University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
柴崎 幸次 愛知県立芸術大学, 准教授 (10315872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 聡 愛知県立芸術大学, 教授 (40281258)
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Keywords | ユニバーサルデザイン |
Research Abstract |
本研究は、誰にでも不自由なく使えるユニバーサルデザインの教科書を実現するため、デジタル教科書を視野に入れ、その標準的なコンテンツとインターフェイスの構成等の研究を行い、具体的なモデルケースの実現により新しい教科書デザインの仕様を作成する研究である。 デジタル教科書は、通常の授業及び弱視生徒支援のため、また文字の読みにくい児童への特別支援教育等の教育ツールとして期待されており日本でも様々な研究が始まっている。将来的に、教科書そのものがデジタルデータで供給されることを想定し、デバイスやオンデマンド出版を通じて、様々な弱視、発達障害等も含め、様々な児童生徒が障害・能力の如何を問わずに利用すること、または適切なカスタマイズができる教科書という概念として教科書ユニバーサルデザインの基礎研究として研究を実施した。 以下、本年度(~平成24年3月31日)の研究の概要である。 (1)新しい教科書デザインの基本概念設計かかる調査研究、及び様式S-1-8に示すD2教科書構成のデバイスの調査として、まず現行の教科書の文章と映像・画像情報として扱うことが適切な情報に分けることを念頭に、教科書の読み順調査、レイアウトの検証など、主に中学校の教科書に関して検証を行った。また、教科書出版社に教科書のコンテンツの作成に関して基本事項のアンケート調査及びヒアリングを行った。 (2)コンテンツ作成方法に関する、教科書のデータ化(現在のところアドビ社Indesignから電子書籍又はEpub3.0や、ibooks authorにより変換する方法を検証。中学、高校(小学校)の教科書サンプルの制作を行った。 (3)デバイスのカスタマイズとして、電子ペンを活用し、教員の指導と生徒との情報共有の可能性について小学校において実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、目標としていた様式S-1-8に示すD2教科書構成のデバイスのモデルは試作として実現した。また教科書出版社、教育委員会などとの連携や「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」にかかる教科用特定図書としてのデジタル教科書の研究も実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
年度前半は、2年間の成果を経てD2教科書構成デバイスの初等、中等教育での実施を想定した実験の充実をはかる。また、高校教科書のデジタルコンテンツについて可能な限りデジタル化の実験を進めたい。後半は、今後の発表、報告のためのまとめを行う。
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Research Products
(2 results)