2010 Fiscal Year Annual Research Report
人の生体情報との対話機能を有する車室内空間デザインに関する研究
Project/Area Number |
22615039
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
横山 清子 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 教授 (50174868)
|
Keywords | 心拍変動 / 自動車運転 / 居眠り防止 / 疲労低減 / 生体信号 / 振動刺激 / バイオフィードバック / 車室内デザイン |
Research Abstract |
本研究の目的は、自動車運転者や搭乗者の生理・心理状態に応じ、対話的に動作することにより、運転者・搭乗者の快適性を向上させる車室内空間デザインを提案することである。22年度は、1)実験による生体信号からの、眠気、緊張感、生体負担度、疲労、リラックス度合いの推定手法の確立、2)実験による眠気防止、疲労低減、注意集中度合いの向上、心理的な安心感と楽しさの提供に効果的な刺激の抽出 を主に行った。 眠気、疲労などの生体状態推定は、自動車運転シミュレータを用い、乗り心地の異なるシートを用いて各々1時間の運転操作を行った場合の、心電図、呼吸、脳波、筋電図の生体信号測定、簡易モーションキャプチャシステムによる姿勢変化、運転動作およびサブタスクによる反応時間測定、15分間隔で測定した眠気・疲労感に関する主観評価測定を行った。主観評価から得られた眠気、注意集中、疲労感に対する生体信号指標を用い重回帰分析とサポートベクターマシン(SVM)によりモデル化を行った。眠気、注意集中については、心拍動や呼吸など心臓自律神経活動を評価する指標により高精度のモデル化が可能となることが分かった。身体的な疲労については、シートの乗り心地の差異による比較、着座時間に対する変動を解析することで、筋電図により推定できる可能性を得ている。 他人から測定したものであっても、掌やシートから、心拍動と同様の揺らぎを持つ間隔の振動を付与することで、心拍がその振動間隔に同期する現象が確認された。従って、高緊張であれば、遅い心拍数の心拍時系列に、集中度低下時には、速い心拍数の心拍時系列に対応した振動刺激で、運転中適度な覚醒・緊張状態を保つことができると考えられる。また、自身の心音をシート座面に設置したスピーカから振動として伝達すると、覚醒度を向上させる効果を得る可能性も実験により得ている。
|