2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22615041
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
定本 清美 東邦大学, 薬学部, 教授 (00297673)
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Keywords | 薬剤包装 / 高齢者 / ユニバーサルデザイン / カラー |
Research Abstract |
初年度である22年度は、薬剤包装の使用実態について高齢者、障碍者、介護をしている人達を対象に調査を行った。調査より、医療機関から処方された処方薬は実際に5割から6割程度しか服用されていない実態が明らかになった。また、高齢者の場合には、薬の服薬評価が自分で十分に行われていないことが、介護者からの情報で確認された。その原因の一つとして、錠剤や一包化製剤が開けにくい、飲み忘れなどは後になって確認できない、表示がわかりにくいなどの複合した問題が存在していた。このことは、薬剤師が投薬しただけではわからない問題であり、医師も投薬の効果を服用できたと考えた場合、薬物治療にとって大きな障害となる。これらの内容はシンポジウムなどで製薬業界関係者にも問題提起した。そして、これらの問題を踏まえて薬剤包装における問題点を点眼薬や散剤などで具体的に示した。点眼薬では、カラーに着目した容器のデザインがきわめて重要であることを色差計を用いた分析によって示した。特に、色弱者の場合の間違える確率が普通色覚の人の約2倍であることを解析し、論文作成中である。また、散剤については、開封についての問題や切り口の工夫の必要性を数値化して示し提言とともに論文化した。 その他に、現在高齢者の投薬方として一番多く用いられている一包化包装について、海外の包装と比較検討し利点・欠点を明らかにした。また、日本においても別の形態での一包化を考えられる患者群が存在しており、薬剤包装上の今後の課題だと考えられることを示した。個々の課題については、国内外の学会での発表と論文化をすすめており、同時に、結果を踏まえて、23年度の研究につなげるように計画している。
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Research Products
(14 results)