2010 Fiscal Year Annual Research Report
テレビ・ゲームの印象と難易度を変化させるための音楽設計方法に関する研究
Project/Area Number |
22615043
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 真司 金沢工業大学, 情報学部, 教授 (10200742)
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Keywords | テレビ・ゲーム / 音楽 / 快適性 / 成績 / 音圧レベル / スペクトル重心 / テンポ / 多変量解析 |
Research Abstract |
過去の研究で、レーシング・ゲーム、スロットマシン・タイプのゲーム(いわゆるパチスロゲーム)などの集中力を要するテレビ・ゲームの遂行に共通して、ゲーム・プレイの「快適性」を低下させる音楽を流した場合、ゲームの遂行成績が低下することが知られている。本研究の目的は、音楽を構成する様々なパラメータとゲームの印象およびゲームの遂行成績との間の関数関係を求めることにより、ゲームの印象と成績を変化させるための音楽設計方法を明らかにすることにある。平成22年度はテレビ・ゲームとして、いわゆるパチスロゲームを対象とし、楽曲2曲のテンポ、スペクトル重心、および、音圧レベルを系統的に変化させ、これらの音楽刺激を聴取させながらゲームを遂行させる実験を行った。この際、実験に先立って、当該ゲームの遂行に関して実験参加者を十分に訓練した後、参加者を実験に参加させた。実験の結果、音楽のテンポはゲームの「緊張感」を大きく左右するが、ゲームの「快適性」および遂行成績には大きな影響を及ぼさないことが示された。一方、音楽のスペクトル重心および音圧レベルによって、ゲームの「快適性」および遂行成績が大きく変化することが示された。スペクトル重心については、CDで発売されているとおりの編曲におけるスペクトル重心を中心として、それより重心が上がっても下がっても、ゲームの「快適性」と成績が低下することが分かった。また、音圧レベルについては、一般的にレベルが高くなるほど「快適性」と成績が低下する様子が見られた。ただし、レベルが低すぎると「快適性」と成績が低下する様子も見られた。 以上のように、スペクトル重心と音圧レベルという2つのパラメータとゲームの「快適性」及び遂行成績との関係が深いことが分かったが、これらの関数関係を明らかにするには至らなかった。
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Research Products
(5 results)