2011 Fiscal Year Annual Research Report
デザイナーの感性を記録するための高精細印刷物画像撮影システム
Project/Area Number |
22650020
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
川嶋 稔夫 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (20152952)
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Keywords | 表面反射率特性 / ディジタルアーカイブ / 3次元形状推定 / 陰影除去 |
Research Abstract |
平面に描かれたグラフィック作品(印刷物)は,デザイナーの狙いが,インクや紙などの材質感として反映されることが多い.これまでのディジタルアーカイブでは,鏡面反射はできるだけ軽減して撮影するのが普通であったが,そのためデザイナーの意図が記録から失われることも多かった.本研究では,このようなデザイナーの意図を含めた印刷物記録の生成を目標とする.平成23年度は以下の研究を進めた. (1)超高解像度反射率記録装置の研究 高精度表面形状推定方式および表面反射特性のデータ収集方式にもとづいて,反射分布を推定する手法について研究を行ったマ当初液晶ディスプレイで光源パターンを生成するコとを計画していたが,LEDアレイに置き換えた方式を前提にシミュレーションを行い,表面形状の測定および,それにもとづく鏡面反射特性と拡散反射特性の分離が可能であることが確認された.曲率の大きな折れや反りの検出も当初のレーザスリット光に比べて劣らない精度が得られたので,二つの手法を併用することなく,単一の手法でロバストに表面形状と反射特性の同時推定に用いることができることが確認された. (2)複数照明下での表面色の推定 (1)に関連して,光源色が異なる複数照明下での真の表面色の推定を行うためのアルゴリズムについて研究を行った.参照物体を置くことで,複数光源の光源色を推定と物体の表面色の推定が可能であることが確認できた. (3)撮影済み画像からの陰影の軽減 撮影済みの軸物書画の記録画像から表面形状変化による陰影を推定し,復元を行う研究を進めた.アルゴリズムでは折れと湾曲の数理モデル化を行い,濃淡変化の連続性と折れ湾曲モデルから,陰影除去後の画像を推測し,復元する手法をとった.
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