Research Abstract |
本研究のためには,(1)対象とする状況の設定と環境の設計,(2)インタラクションのセンシングと記録,(3)現象の類型化と機能の整理,(4)情報メディアとしてのプロトタイプ実装と評価があげられる.平成22年度は,上記研究項目のうち,主に(1)-(3)を以下のように進めた 様々な状況でのコミュニケーションを収集するために,大きく分けて二つの状況,(a)ノンバーバルコミュニケーションが重要な役割を果たす一般的な状況,(b)言語によるコミュニケーションが中心的な役割を果たしているWebでの質問応答,について集中的にデータ収集と調査を行った (a) としては,会議,学習・見学の場,ワークショップでの状況の収録と整理を行った.このような場では,明示的な行動に加えて,さりげない振る舞いによる質問の意図表明や情報要求の発現が行われる.会議では,参加者の発話の状況と共に,発話に至るまでの態度と共に,質問を核とした議事進行の可視化について検討を行った.学習・見学の場では,個人視点の映像記録(ライフログ)とその他のセンサによる補強を行いながら,場の記録を行った.例えば,博物館での見学では,説明者と見学者の振る舞い,質問のタイミングやしぐさ,個人的な見学をしているときの振る舞いなどから,質問に至るまでの様子や質問しやすさ,しにくさ等をモデル化するための記録が得られた.ワークショップでは,作業をしながらの対話・会話を対象に,データ収集とモデル化を行った.今後,これらのデータを基に,質問のモデル化とその認識方法の検討を進めていく予定である (b) では,明示的な質問では問い返しや問い直しが頻繁に行われており,双方向に情報要求がなされていることが顕著に現れていることを基に,それらのパターン,様々な要求の識別方法等について検討を行った.これらを基に,モデル化を進めていく予定である
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