2012 Fiscal Year Annual Research Report
積層型液晶パネルを用いた多視点裸眼立体視ディスプレイ
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22650024
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
後藤田 洋伸 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (80300705)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 情報システム / ディスプレイ / 立体視 |
Research Abstract |
本研究では、「複数の液晶パネルを積層し、パネルに厚みを与えておけば、視線方向に依存して表示素子の重なり合い具合が変化する」という現象に着目し、これに基づいた新たな裸眼立体視の方式を考案することを目的としていた。このうち、平成22年度には、積層型液晶パネルの基本的な性質を解明し、これを活用して裸眼立体視を行なうための制御アルゴリズムを確立した。また、平成23年度には、プロトタイプシステムの構築に着手し、2層のパネルから成る裸眼立体視ディスプレイを構築した。 平成24年度は、プロトタイプシステムを4層にまで拡張した上で、その性能評価を行なった。具体的には、様々な視点位置における表示画像をビデオカメラを用いて撮影し、本来意図していた表示画像との差分を計測した。表示面の法線方向から15度以内の角度から観察した場合には、シミュレーションで想定されていた結果よりは画質が落ちるものの、概ね良好な表示画像が得られていることを確認できた。ただし、一部の表示例においては、複数ある物体の遮蔽関係が正しく表示されていないというケースも見受けられた。また、15度以上の角度から観察した場合には、表示画像中に歪みが目立つようになることも確認した。 これらの欠点を克服するために、積層するパネルを可動式のものとし、周期的にパネルの位置を変えながら立体画像の表示を行なう方式を新たに考案し、その理論的な解析と実装も試みた。改良された方式では、パネルの層数を4層以上に増やした場合とほぼ同等の結果を得ることができ、表示画像の画質もかなり改善された。一方、遮蔽関係が正しく表示されないという問題については、未解決のまま残った。これを解決するには、指向性のあるバックライトを利用する方法や、積層するパネルにマイクロレンズアレイを貼り付ける方法などが考えられるが、それらの実施ならびに評価は今後の課題として残されている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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