2010 Fiscal Year Annual Research Report
離散的最適化と時系列解析による人工衛星データの復元と知識発見
Project/Area Number |
22650029
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
土谷 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (00188575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 玄太 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (40370093)
池上 敦子 成蹊大学, 理工学部, 教授 (90146936)
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Keywords | 人工衛星 / 惑星科学 / 時系列解析 / 整数計画 |
Research Abstract |
人工衛星Geotailは地球磁気圏のプラズマを観測する人工衛星であり,プラズマ粒子の速度・入射方向・入射角の3次元ヒストグラムを12秒ごとに地球に送信する.24時間の内8時間は3次元ヒストグラムをそのまま通信できるが,16時間については,通信の制約上,入射角方向について和をとって得られる2次元ヒストグラムと,3次元ヒストグラムの平均と分散共分散行列のみを送信する.本研究は,2次元ヒストグラムと3次元ヒストグラムの平均・分散共分散行列から,元の3次元ヒストグラムを復元することを目的とするものである.ヒストグラムの情報は特徴量の時系列としてまとめられ,ETスペクトログラムという2次元のカラー図面に集約され,地球惑星科学分野での検討に供される. 本研究は,データの整数性を利用して復元を行うところに基本的なアイディアがある.解くべき問題は混合整数計画問題となるが,良い初期値を得ることが重要である.本年度は,問題の性質を把握することを目的として予備的なデータ解析を行った.実際に観察されている3次元ヒストグラムから種々の統計量を計算し,問題の性質の理解に努めた.さらに,3次元ヒストグラムの復元問題の混合整数計画問題としての定式化をいくつか考え,それらの定式化に基づいて復元問題をタブサーチや整数計画法ソフトウェアによって解き,ETスペクトログラムを実際に描いてどの定式化が一番適切であるか検討した.その結果,総粒子数66までの小規模問題であれば復元可能であることが判明した.線形計画緩和の性質についても検討し,復元後の粒子が比較的少数のセルに集中することを認識した.これは何らかの事前情報と組み合わせて推定を行うことが重要であることを示唆している.
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[Presentation] 衛星観測プラズマデータの復元2010
Author(s)
田辺亮平, 木下順三郎, 河野佑亮, 池上敦子, 上野玄太, 土谷隆
Organizer
日本オペレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会
Place of Presentation
コラッセ福島(福島市)
Year and Date
20100900