2011 Fiscal Year Annual Research Report
学習意欲に及ぼす香りと色の効果に関する脳科学的検討
Project/Area Number |
22650043
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
斎藤 美穂 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90288043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 丈夫 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (90409756)
三浦 久美子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (20548705)
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Keywords | 感性情報 / 香り / 学習・行動 / 動機づけ / 嗜好 / 作業効率 / 気分 |
Research Abstract |
今年度は、まず好みの香りが作業に対するモチベーション及び作業の効率に及ぼす影響を脳科学的に検討することとした。ある特定の香りの効果に関する研究はこれまでも様々な報告がなされているが、個人の香り嗜好に着目した研究は少ないのが現状である。多くは、あらかじめ実験者側で一般に好まれる香りや嫌われる香りを数種類に限定して用意する実験であった。しかし、香りの様々な効果における要素を検討する際に、香りの好みには個人差が大きいとされていることからも、その香りに対する個人の好みを研究の文脈に入れることは非常に重要であると思われる。この点を考慮し、多くの香りから実験参加者自身が好みの香りを選ぶことによって、特定の香りの効果ではなく、香りに対する嗜好による効果を明らかにすることを目的とした。実験方法としては、機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて脳活動を観察し、脳波や心拍等の自律神経反応では捉えることの困難な脳深部の嗅覚野や大脳辺縁系近辺の反応を検討することを試みた。 具体的な手続きとして、本研究では:事前に被験者に120種類の香りの中から好きな香りを選ばせ、好きな香りがある条件、香りがない条件(無香)の2条件を設けた。香り刺激はエアコンプレッサーから空気を送風して呈示した。テフロンチューブを通して空気は常時呈示され、60秒に1回の割合で香り刺激を注入した。これら2条件の脳機能画像の比較を行い、賦活部位の比較および課題の作業量の比較を行った。今年度の予備実験の結果からは、好きな香りがある条件では、帯状回、線条体、側坐核等の賦活が見込まれた。被験者数をさらに増やし、香りと色との調和関係にも着目しながら、色と香りの調和空間が作業効率と意欲に与える影響に関して脳機能的検討を深める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
創RIを使用した実験と、その成果が予測された通りにおおむね順調に進んでいると考えられるため。 特にない。ただしfMRIを使用した実験においては、その結果を見ながら研究計画の変更が生じる可能性も視野に入れるが、本研究の目的は問題なく遂行できる見込みである。
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Research Products
(3 results)