2012 Fiscal Year Annual Research Report
学習意欲に及ぼす香りと色の効果に関する脳科学的検討
Project/Area Number |
22650043
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
斎藤 美穂 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90288043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 丈夫 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (90409756)
三浦 久美子 早稲田大学, 人間科学学術院, その他 (20548705)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 色彩 / 香り / 学習意欲 / 脳機能測定 / fMRI |
Research Abstract |
作業効率や意欲向上のための学習環境設計における色と香りの調和空間に着目し、その効果を脳科学的に検討することを目的として、N-Back課題遂行時における脳活動の検討をfMRIを用いて行った。平成22年度から平成23年度にかけて実験環境および方法論を確定して実験を行い、平成24年度では色や香りの調和と課題遂行時の脳活動を検討した。予備実験から、香りに対する個人の好みを研究の文脈に入れる重要性が示唆されたため、被験者には120種類の香りの中から好きな香りを選ばせ、香り刺激として用いた。色刺激は赤、黄、緑、青、紫と灰色(統制刺激)の色光をスクリーンに投射し、仰臥位のまま鏡面にて提示した。また課題の難易度は1backと2backに設定し、2backにおける香りの有無および色の有無の組み合わせによる4条件に、統制条件として無香・無色・1back課題を設定した。香り刺激はエアコンプレッサーから空気を送風してfMRI内で提示した。これらの条件下での課題遂行時における脳機能画像により、賦活部位の比較および課題作業量の比較をした。その結果、以下の3点が得られた。 (1) 色と香りの調和時に、眼窩前頭前野での賦活が見られた。この部位は報酬に関わり、情動・動機づけに基づく意思決定にも重要な役割を持つと考えられる。また、異なる感覚モダリティーからの感覚情報の統合に関与すると言われている頭頂葉においても賦活がみられ、関連する成果を国際学会等で発表した。 (2)香りの効果に着目した場合は、モチベーションに関与する帯状回に賦活が見られ、個人の好きな香りの存在がモチベーションに関与した可能性が示唆された。 (3)課題の難易度に着目した場合は、前頭葉での賦活がみられた。前頭葉は報酬、注意、長期記憶、計画や意欲と関連付けられており、2back課題から1back課題へと難易度が変化したことが報酬に関与したと推測された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)