2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650049
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
菅原 洋一 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70144227)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 明治 / 銅版画 / 商工便覧 / 垣貫一右衛門 / 川崎源太郎 / 高崎龍太郎 / 大日本博覧図 |
Research Abstract |
本研究は、明治期の銅版画による商家の営業案内等を全国的に収集し、目録を整備するとともに、これを主資料として、商家の活動形態、建築形態の全国的、地域的傾向を把握し、情報伝達手段としての銅版画の特質を明らかにするものである。 資料は、東北及び四国の一部、沖縄を除く全国を対象地とする資料約100点を確認収集した。大半は国立国会図書館近代デジタルライブラリーで閲覧できる事が確認できたので、同ライブラリー掲載資料は、原則としてこれに基づき、非掲載資料は、所蔵館での複写写真や復刻版に基づいて、目録を作成した。目録は各資料ごとに商家等の名称、屋号、業種、所在地、備考の5項目について作成した。更に各資料の発行年月、対象地域、書名、出版地、体裁、出版関係者、序・緒言等、所蔵についての一覧表を作成した。これらの基礎的作業をもとに、①発行関係者、②刊行方法、③序・緒言・凡例、④各商家等の描図方法・記載内容、⑤各商家等の建築、について考察を行った。 これらの資料は身内を協働者として零細な刊行を行う例が多く、序や凡例への第三者による先行書の表現の流用も確認できる。また、同一図版から二次的、三次的な刊行物を作成する例、内容の追加・削除による異版の例も少なくない。図版は芸術的な表現力や形態的な正確性の観点からは、稚拙なものも少なくないが、家々の生業、営業形態、商品、家屋群の具体的形状や配置、各家の由緒等を、読み取ることができる。これらは資料群としては、①刊行時期が明治10年代から30年代までのほぼ20年間ほどに限られる、②作成目的や表現方法が類似する、③全国各地域を対象とする刊行物がある、等の特色があり、各地の明治期商家の実態を全国的な視野で把握できる学術資料として重要である。 なお、以上の研究成果として平成25年3月に研究成果報告書『明治期商家銅版画資料に関する歴史情報学的研究』を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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