2010 Fiscal Year Annual Research Report
日欧家系譜・家系情報群の社会経済史的立体表現による系譜学と歴史学との架橋
Project/Area Number |
22650050
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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Keywords | 家系譜 / 家系情報群 / 日欧比較 / 立体表現 / 社会遺伝 / 相続 / 家名 |
Research Abstract |
本年度は、近世期日英欧近世・近代家族に関する本研究の重要な基礎となる立体家系図群生成を実施した。既にデータベース生成(MacFamily 6)を果たしている日本の上塩尻村およびイギリスのウィリンガム教区の事例を準拠枠として、日英双方でのデータ追加調査を遂行した。夏期には、英国で中世欧州経済史ならびに系譜学の専門家(ケンブリッジ大学P・スパフォド名誉教授)のレビューを受け、同時にデータ調査をおこなった。また、2月にはドイツおよびフランスを中心に欧州大陸の家系譜研究動向調査および資料収集を実施した。ドイツについては、本研究代表者は南部のシュワーベン地方シュトゥットガルト公文書館および近郊農村部を調査し、連携研究者平井進教授が北部、とくに北海沿岸部を中心に史料紹介を公刊した(国際比較研究会編『国際比較研究』第7号(2011)、資料、151-75頁)。フランスに関しても南部ピレネー地方を中心に系譜学研究の動向調査に着手している。その過程での分析結果は一部、業績に掲げた国内・海外学会報告(社会経済史学会全国大会および東北部会、国際農業史学会の各セッション)で活用している。さらに、方法論の確立のために、基本資料としてM・スパフォド著『コントラスティング・コミュニティーズ』の一部翻訳も行い、社会経済史と系譜学の架橋に寄与するものとして上記『国際比較研究』誌に収録した。
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