2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650060
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
瀬々 潤 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (40361539)
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Keywords | 糖鎖 / クラスタリング / 半教師つきクラスタリング / タンパク質 / 化合物 |
Research Abstract |
糖鎖は細胞表面に付着し,ウイルスや薬剤の認識に関わる重要な因子である.しかし,構造が木構造を成し複雑であること,またゲノムには糖鎖構造に関する情報は書かれておらず,機能解明は困難を極めている.この困難を乗り越えるため,本研究では近年発達してきた300を超える糖鎖に対し化合物の結合度合いを調査できる糖鎖アレイのデータを利用し,糖鎖構造と化合物の反応予測を行うデータマイニング技術を確立することで,糖鎖の化合物・ウイルス反応部位を特定する.本研究により,ドラッグデリバリーの効率化,ウイルス感染の予防と特定の効率化が期待できる.本研究は,木構造と多次元数量ベクトルを扱い,かつその組み合わせを考えなければいけないため,チャレンジ性の高い研究である.平成22年度は,糖鎖反応親和度と糖鎖構造の相関解析を行った.まず,文書類似性の判定などで用いられるコサイン距離等の距離法,また,ウォード法などなどの基本的なクラスタリング手法を用いることで糖鎖間及びサンプル間で類似したものが抽出できるかを確かめた.この結果,類似したサンプルにも関わらず相関が薄い物が散見された.来年度は,より類似したサンプルが抽出できるよう非線形空間の導入を行う.次に制約付きクラスタリング手法を用いて関連する糖鎖構造の同定を行った.これにより,インフルエンザB型が認識すると知られている部位を自動的に同定することに成功した.今後はより多くの認識部位を特定していく.第三にこれら解析結果を一般に提示できるようWebサーバの開発をおおなった.しかし,現段階ではまだユーザビリティの低い状態なので生命科学者や化学者に対しても見やすくできるよう開発をすすめる.
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