2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650060
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀬々 潤 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (40361539)
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Keywords | 糖鎖 / グリカンアレイ / クラスタリング / クラス分類 / 組み合わせ |
Research Abstract |
糖鎖は細胞表面に付着し,ウイルスや薬剤の認識に関わる重要な因子である.しかし,構造が木構造を成し複雑であること,またゲノムには糖鎖構造に関する情報は書かれておらず,機能解明は困難を極めている.この困難を乗り越えるため,本研究では近年発達してきた300を超える糖鎖に対し化合物の結合度合いを調査できる糖鎖アレイのデータを利用し,糖鎖構造と化合物の反応予測を行うデータマイニング技術を確立することで,糖鎖の化合物・ウイルス反応部位を特定することを目標とした. 本研究では2つの手法を開発し評価した.第一に糖鎖アレイのデータにのみ着目をしたクラスタリング手法である.クラスタリングは類似の反応を示すサンプルもしくは糖鎖をグループ化するアルゴリズムであり,類似した反応を示すサンプルは同一のグループに,また,類似の反応を示す糖鎖は同一のグループに集めることが可能である事を示した.鳥や豚のインフルエンザはそれぞれ特徴的な糖鎖に結合する事が知られているが,本アレイの情報を用いてもインフルエンザによって異なる糖鎖に反応することを示すことができた.これにより,本結果を利用することで異なる糖鎖構造を有していても類似のサンプルに反応する場合などを発見する事が可能となった. 次に,サンプル(タンパク質)との反応に関与する糖鎖の部分構造を抽出する手法の開発を行った.サンプルが糖鎖に反応する際,糖鎖構造全体を認識する事は少なく,糖鎖の部分的な構造が重要である.主として末端構造が重要であるが,分岐などを認識しているケースも存在する.本研究では,組み合わせ論的なアプローチによって,糖鎖の持つ部分構造の組み合わせと反応するサンプルの関係を調査するアルゴリズムを開発し,インフルエンザやガレクチンが認識する可能性の高い部位を特定した.
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Research Products
(1 results)