2011 Fiscal Year Annual Research Report
眼優位カラムの存在意義解明とその可塑性研究の発展を目指したマウスでの未知なる挑戦
Project/Area Number |
22650068
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
冨田 江一 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 特任助教 (80314285)
|
Keywords | 神経科学 / 感覚認知 / 神経可塑性 |
Research Abstract |
本研究では、遠近感の認知プロセスに重要とされている眼優位カラムに注目した。遠近感の認知に優れたネコ・サル・人などの第一次視覚野上には、同側・反対側眼から別々に視覚入力を受ける機能ユニット:同側・反対側眼優位カラムが存在する。逆に遠近感の認知が得意でないマウス・ラット等の第一次視覚野は、主に反対側眼から視覚入力を受けるのみで、眼優位カラムを持たない。この傍証より、遠近感の認知プロセスにとって眼優位カラムは重要だと考えられてきたが、確固たる証拠はない。本研究では、応募者が発見したネコの同側眼優位カラムに特異的に発現しており神経軸索延長を促すシャペロン(同側眼優位カラム特異的シャペロン)を、マウス第一次視覚野に異所性発現させて、同側・反対側眼両方から視覚入力を受けるよう眼優位カラムを誘導し、このマウスの遠近感の認知能力が向上したか検討を重ね、眼優位カラムの遠近感の認知プロセスにおける機能的役割を明確にすることを最終目標として研究推進した。 このシャペロンはlong formとshort form種類のformを持つことを以前明らかにした。平成22年度、発生工学的手法を駆使して、マウス第一次視覚野にのみlong formとshort formシャペロンそれぞれを異所性発現するトランスジェニックマウスの作製を行った。平成23年度になってから、これらトランスジェニックマウスにおいて、第一次視覚野にのみシャペロンが発現していることを確認した。これらのトランスジェニックマウスにおいて、眼優位カラムの形成あるいは同側眼優位領域の拡大等が見られるか分子生物学的手法にて検討したところ、興味深い知見が認められたので、さらにイメージング的手法にて確認を行っている。
|
Research Products
(13 results)