2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650069
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
重本 隆一 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (20221294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王子田 彰夫 九州大学, 大学院・薬学院, 教授 (10343328)
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Keywords | コネクトミクス / プローブ / 神経回路 / 電子顕微鏡 / タグ |
Research Abstract |
本課題ではコネクトミクスによる網羅的な全神経要素の電子顕微鏡レベルでの解析と機能マーカーの高解像度標識を組み合わせることよって、単に超微形態のみの情報による現在のコネクトミクスを機能共役的コネクトミクスに革新することを目標としている。このために必要な機能標識法を開発することを目的として、まず電顕的に検知可能な分子タグとその網羅的検出法を開発する。次にこれを応用し、神経活動依存的な可塑性を発現したシナプスを標識する方法を開発する。平成22年度は、まず電子顕微鏡レベルで利用可能なGFPのような分子タグを開発することを目指した。6種類の短いアミノ酸配列を受容体サブユニットに付加し、電顕での検出感度を調べたところAU1と呼ばれるタグが最も高い感度を示した。しかし、このタグの検出には抗AU1抗体を使用する必要があるため、パルスラベルできる化学プローブと組み合わせることのできるタグを王子田研で現在開発中である。既に作成済みのD4タグを用いた実験では、残念ながら化学固定によって化学プローブによる反応性が失われることが判明したので、さらに別のタグとそれに特異的に結合できる化学プローブの開発を進めている。また、最新のFiber ion beam (FIB)-STEMによる解析は、解像度がかなり改善され、将来EDXによる元素分析を付加することで、電子顕微鏡的形態データの上に複数の分子種の定量的データをとることも可能となると考えられる。次年度は現在の最新機種を用いて我々の電顕試料を使った解析を行う予定である。
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