2010 Fiscal Year Annual Research Report
二分子蛍光補完による複数サイトカインシグナルの入力部位同時検出法の開発
Project/Area Number |
22650078
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中島 欽一 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80302892)
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Keywords | 神経幹細胞 / 二分子蛍光補完 / 分化 / サイトカイン / アストロサイト |
Research Abstract |
申請者は、IL-6ファミリーサイトカイン(IL6-FC)群及び骨形成因子群が相乗的に作用して神経幹細胞のアストロサイト分化を誘導することを明らかにした。しかし生体内において、神経幹細胞が実際にこれらアストロサイト誘導性サイトカインのシグナルを受け取っているのか、さらに細胞のどの部分で受け取っているかについては不明のままである。そこで本研究では、サイトカインシグナル入力の際に、受容体膜タンパク質と転写因子が会合することを利用したこれまでにない二分子蛍光補完(BiFC)法により、異なるサイトカインシグナルの入力同時観察、及びその入力部位同定を行う技術を開発する。さらにこの結果と申請者らのこれまでの成果を統合して、アストロサイト分化能獲得から分化まで、その一連の過程を説明する概念の提示を目指す。 予備的実験より、軟膜細胞の培養上清存在下に神経幹細胞を培養することでアストロサイトへの劇的な分化が観察されたため、軟膜細胞がIL6-FC発現細胞であるかを検討した。IL6-FCに応答することが明らかなアストロサイト特異的GFAP遺伝子プロモーターを持つレポーターコンストラクトを神経幹細胞に導入し、軟膜細胞培養上清に対してレポーターアッセイを行った。軟膜細胞培養上清によってレポーター活性の上昇が観察されたが、この活性は全てのIL6-FCのシグナル伝達を阻害できるgp130阻害抗体や優性抑制型STAT3によって抑制されたため、軟膜細胞培養上清中のアストロサイト誘導因子がIL6-FCであることが示唆された。そこで、実際にIL6-FCが軟膜細胞において発現されているかを同定するために、各IL6-FCに対するプライマーを用いてRT-PCR法を行った結果、LIF,CNTF,CLCを高発現していることを同定した。今後、BiFC法を用いてこれらサイトカインシグナル入力の観察及び入力部位の同定を行う。
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[Journal Article] Signaling through BMPR-IA regulates quiescence and long-term activity of neural stem cells in the adult hippocampus.2010
Author(s)
Mira H., Andreu Z., Suh H., Lie D.C., Jessberger S., Consiglio A., San Emeterio J., Hortiguela R., Marques-Torrejon M.A., Nakashima K., Colak D., Gotz M., Farinas I., Gage F.H.
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Journal Title
Cell Stem Cell
Volume: 7
Pages: 78-89
Peer Reviewed
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