2010 Fiscal Year Annual Research Report
大Maf群転写因子強制発現によるインシュリン産生細胞の分化誘導系の確立
Project/Area Number |
22650090
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 智 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50271896)
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Keywords | 大Maf群転写因子 / β細胞 / インシュリン / ルシフェラーゼ / in vivoイメージング |
Research Abstract |
1)マウス生体内におけるインシュリン産生細胞の検出方法の開発 マウスインシュリンプロモーターにホタルルシフェラーゼを連結した遺伝子を有するトランスジェニックマウス(MIP-luc Tg)を導入し、生体の発光を観察できるIVISを用いることによって、マウス生体内でインシュリンを産生する細胞の検出系を確立した。野生型のマウスで膵臓の部位に一致してルシフェラーゼの発光が認められた。また、インシュリン転写量が低下しているMafA欠損MafK Tgマウスでは、ルシフェラーゼの活性が低下していることを確認した。これらの結果より、マウス生体内でインシュリンの転写をモニターできる測定計を確立できたと考えられる。 2)体細胞のインシュリン産生細胞の再分化誘導法の開発 他の研究グループの報告から、MafA、Pdx1およびNeuroDを、アデノウイルスでマウスの尾静脈より導入すると、生体の肝細胞がインシュリンを産生するようになることが報告されている。そこで、MafAとPdx1およびNeuroDのアデノウイルスを尾静脈より肝細胞に導入したところ、非常に強いルシフェラーゼの発光が認められた。ルシフェラーゼの発光が認められた肝臓について、免疫染色によりインシュリンタンパク質の産生を確認したところ、肝細胞でのインシュリンの産生が確認された。一方MafAと同様の機能を有すると考えられたMafBの組み合わせでは、明らかな誘導効果は観察されなかった。以上のことからMafA、Pdx1およびNeuroDの転写因子の組合わせにより、肝臓の細胞からインシュリンを産生する細胞を再分化させることが可能であると考えられる。
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