2012 Fiscal Year Annual Research Report
時空間的分化パターン誘導による幹細胞群からの臓器機能構築システム
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22650102
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
齋藤 敬 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (70418771)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 人工臓器学 / 再生医工学 / 細胞治療 / 光化学 / 細胞 / 自己組織化材料 / 酸化 / 自動化 |
Research Abstract |
細胞分化の制御は再生医療の大きな課題であるが、現在は単純な組織に限られ、臓器については再生の目処が立っていない。我々は細胞死を誘発しにくいサブミクロン径の細胞膜穿孔法を発見、本研究では膜穿孔法と自己組織化材料との組み合わせによって、大規模細胞分化誘導システムの開発を行う。 また、細胞への物質導入は光照射によって誘発されるため、光照射パターンの制御により、細胞集団に任意の時空間的パターンで分化誘導を行いうる。このため光酸化反応を誘発できるナノ剣山状細胞膜穿孔体とその運用システムによって、シート状の細胞群の個々の細胞に対し、印刷的に任意のパターンで物質を導入する、大規模集積型の細胞分化誘導システムを開発する。 本年度には、計画の中核となる細胞用光照射パターニング機構の実証運用を行った。秋田県立大学バイオテクノロジーセンター、秋田大学医学部と連携、様々な細胞を対象に実験を行い、細胞への遺伝子導入と発現について特許性のある成果が得られ、出願を進めている。ただし特許出願前には関連成果を公開出来ないことから、学会・論文発表については制限せざるを得なかった。それを補うべく、ガラスキャピラリ細胞膜穿孔体による基礎データ収集も行い、細胞膜穿孔-回復プロセスに関する成果が得られた。この成果については国際学術会議での発表が受理されている。なお過去に出願した本研究に関連する特許出願が1件、本研究成果等に基づく抗弁により本年度新たに成立した(特許第5053350号)。 その一方で、シート状の細胞に対する穿孔体の適用について、僅かな加圧の不均一さが物質導入効率を大きく左石することが判明した。また穿孔体の鋳型メーカーの製造プロセス更新の影響で、剣山状細胞膜穿孔体の成形不良が生じ、この間題は本年度末に解決したが、計画の遅延を招いた。今後、より安定して細胞膜穿孔法を実施できるよう、機器面の改良が重要と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)