2010 Fiscal Year Annual Research Report
毛細胆管と胆管の融合による複合肝組織再生手法の革新
Project/Area Number |
22650106
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須藤 亮 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20407141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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Keywords | 胆管上皮細胞 |
Research Abstract |
本研究は、酸素透過性シリコーン膜を用いて細胞外環境の弾性率と酸素濃度を同時に制御することで、研究代表者らがこれまでに個別に再生することに成功してきた胆管と毛細胆管を生体外で融合させ、複合組織を構築することを目標としている。特に、培養系において胆管と毛細胆管が接続していることを形態・機能の面から実験的に立証することが目的である。さらに、弾性率などの力学的環境と細胞の形態形成・機能の関係を定量的に明らかにすることによって、複合組織を再生させる革新的な手法を提案し、工学による複合組織再生技術の研究基盤として展開することを目的とする。 本研究では、(1)培養デバイスの作成(2)培養条件における力学的因子の制御(3)再構築された組織の形態学的・機能的な評価、の一連の研究を通して、毛細胆管と胆管を融合させる複合肝組織の再生を目的とした工学的手法の開発を行なう。特に、本年度は以下の研究成果を得た。 1.酸素透過性膜を組み込んだ培養デバイスの製作 シリコーン樹脂であるPDMS膜を組み込んだ培養デバイスを製作した。このデバイスを用いてラットから分離した胆管上皮細胞と小型肝細胞を培養し、形態形成を誘導した。 2.培養デバイスにおける培養担体の弾性率制御 培養担体の弾性率を変化させることによって再生させる胆管の大きさが制御されることを見出した。再生された胆管の大きさや管構造を構成する細胞数・ネットワークの構造などの形態学的な特徴を定量的に評価し、弾性率との関係を検討した。 3.毛細胆管-胆管複合培養系における弾性率の最適化 最適化された培養担体を用いた培養デバイスで胆管上皮細胞と小型肝細胞の共培養を行ない,毛細胆管-胆管複合培養系の構築を検討した。
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Research Products
(5 results)