2011 Fiscal Year Annual Research Report
毛細胆管と胆管の融合による複合肝組織再生手法の革新
Project/Area Number |
22650106
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須藤 亮 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20407141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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Keywords | 胆管上皮細胞 |
Research Abstract |
本研究は、酸素透過性膜を用いて細胞外環境の弾性率と酸素濃度を同時に制御することで、これまでに個別に再生することに成功してきた胆管と毛細胆管を生体外で融合させ、複合組織を構築することを目標としている。特に、培養系において胆管と毛細胆管が接続していることを形態・機能の面から実験的に立証することが目的である。さらに、細胞周囲の力学的環境と細胞の形態形成・機能の関係を定量的に明らかにすることで複合組織を再生させる革新的な手法を提案し、工学による複合組織再生技術の研究基盤として展開することを目的とした。 本研究では、(1)培養デバイスの作成(2)培養条件における力学的因子の制御(3)再構築された組織の形態学的・機能的な評価、の一連の研究を通して、毛細胆管と胆管を融合させる複合肝組織の再生を目的とした工学的手法の開発を行なう。特に、本年度は以下の研究成果を得た。 1.昨年度までの研究によって作成したシリコーン樹脂(PDMS)製の膜を底面とした24ウェルプレートを用いてラットから分離した胆管上皮細胞と小型肝細胞の共培養を行った。PDMSは高い酸素透過性を有しており、このようなデバイスで培養することで細胞周囲の低酸素環境を改善することができる。また、カバーガラスを接着させることで酸素透過性のON/0FFの切り替えを行い、組織形成に与える影響を検討したその結果、酸素環境が胆管と毛細胆管の融合において重要なパラメーターとなることを見出した。 2.酸素透過性培養デバイスを用いて、肝細胞が形成する毛細胆管と胆管上皮細胞が形成する胆管の形態形成について共焦点レーザー顕微鏡を用いて三次元的に解析した。特に、顕微鏡ステージインキュベーターを使用し、培養細胞を長時間モニタリングすることで毛細胆管と胆管の界面における両者の形態形成を形態学的に調べた。 これらの結果は、複合肝組織の再生において重要な知見となった。
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Research Products
(7 results)