2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650107
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 一彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90193341)
|
Keywords | バイオマテリアル / 細胞親和型ポリマー / 酸化還元反応 / 細胞固定化 / 電子移動反応 |
Research Abstract |
バイオマス資源をソースとした新しい細胞ベース起電デバイスの構築を、細胞工学とバイオマテリアル工学の融合により実現する。特異的な酵素タンパク質を過剰発現させた細胞を、活性を維持した状態で三次元的に固定化した電極を利用して、細胞ベースの起電デバイスを創製することを目的に、主として、平成22年度は、酵素タンパク質からの電子移動反応の効率化、細胞親和性を持ち、活性の維持に関与するポリマーの合成と電気化学的特性について研究を進めた。 (1)電子メディエーターとして動作する細胞親和性ポリマーハイドロゲルの合成:細胞上に発現した酵素から、電子移動を効率よく行うためには、電極と細胞間に電子移動ネットワークが必要である。ここでは、常温で可逆的な分子間結合が生じるポリマー系を利用し、電極への細胞の固定化した。すなわち、細胞親和性を有するリン脂質ポリマーに、電子メディエーターとしてのフェロセン基を導入し、さらにポリビニルアルコールと水溶液系から混合によりゲル化する機構を取り入れた。このポリマー(PMBVF)を利用して、電子移動反応を確認した。ポリマーはLayer-by-layer法により電極上に固定化し、電子移動反応を測定したところ、フェロセン基に特有の電流/電圧曲線が得られた。(2)シリカ粒子担体上への酸化還元酵素の固定:細胞モデルとして、同等のサイズを有するシリカ粒子にリン脂質ポリマーを被覆し、これに酸化還元酵素を固定化した。これにより起電デバイスを作成するための電極に必要な条件の検討を行った。これらのことを踏まえ、平成23年度は細胞固定した電極の作成と、起電デバイスの構築を行う。
|