2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソームのインポート機構を利用した高効率蛋白質デリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
22650111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷澤 克行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20133134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 高志 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (90456939)
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Keywords | タンパク質送達システム / 細胞生物学 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
本研究は、細胞内オルガネラへのタンパク質インポート機構に関する細胞生物学的知見と医薬分野におけるドラッグデリバリーシステム(DDS)の技術を融合することにより革新的なタンパク質デリバリーシステムを創製することを目標としており、初年度はキャリアーとして利用するペルオキシソームの中空化技術の開発に向けて、ペルオキシソーム内への2種類のタンパク質(PTS1およびPTS2)めインポートに関わるPEX5タンパク質(PEX5SおよびPEX5L)のノックダウン用shRNA発現レンチウィルスベクターの構築を行なった。PEX5S単独、もしくはPEX5SとPEX5Lの両者を同時にノックダウンするウィルスベクター(各3種類)を導入したHeLa細胞およびHEK293細胞について調べた結果、いずれの場合にもこれらのタンパク質の発現が有意に抑えられることが確認できた。さらに、PEX5SとPEX5Lの両者をノックダウンする3種類のベクターを同時に導入したところ、内在性のPEX5の発現が検出限界以下にまで減少することが明らかとなった。続いて、PTS1およびPTS2タンパク質のペルオキシソームへのインポート経路の遮断を検証するため、特異抗体を用いた蛍光免疫染色を行なった。その結果、PTS1およびPTS2タンパク質のペルオキシソームへのインポートがほぼ完全に遮断され、ペルオキシソームが中空化していることが明らかとなった。現在、この細胞を株化するためシングル化作業を進めており、ペルオキシソームの中空化技術はほぼ確立できたと考えている。
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