2011 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソームのインポート機構を利用した高効率蛋白質デリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
22650111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷澤 克行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20133134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 高志 大阪大学, 医学研究科, 特任研究員 (90456939)
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Keywords | タンパク質送達システム / 細胞生物学 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
本研究は、細胞内オルガネラへのタンパク質インポート機構に関する細胞生物学的知見と医薬分野におけるドラッグデリバリーシステム(DDS)の技術を融合することにより革新的なタンパク質デリバリーシステムを創製することを目標としており、本年度は以下の3項目について実施した。 1.ペルオキシソームの高純度精製法の確立 ヒト腎由来HEK293細胞の除核画分から分離精製したペルオキシソームを用いてオルガネラ局在性酵素の酵素活性を測定した結果、ペルオキシソーム局在性catalaseの含有率が90%以上を示し、一方、他のオルガネラ局在性酵素め混入率は何れも6%以下であることから、高純度のペルオキシソームが精製できることが明らかとなった。 2.精製ペルオキシソームへの標的化能の付加技術の開発 精製ペルオキシソームにNeurAvidinを介して抗HB-EGF抗体を付加し、その粒子径、ζ電位を動的光散乱法により測定した結果、抗体付加前の精製ペルオキシソームと比較し、粒子径は殆ど変化なく単一ピークであること、ζ電位は若干負になることが明らかとなった。 3.モデルタンパク質内包ペルオキシソームの機能評価 ペルオキシソーム反中空化細胞HEK293-PEX7KO細胞を樹立し、luciferase-SKLを一過性に過剰発現させ、精製ペルオキシソームにおけるluciferaseの酵素活性を測定した結果、PS画分に於ける同タンパク質の含有量は約65%であった。次に、分割型luciferase-SKL、内包精製ペルオキシソームに抗HB-EGF抗体を付加し、HB-EGF発現V6ro細胞へ添加後、luciferase活性を測定した。その結果、添加16時間後から有意なluciferase活性が認められ、ペルオキシソーム内包の分割型luciferase-SKLが細胞内に取込まれた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Nanocapsules Incorporating IgG Fc-binding Domain Derived from Staphylococcus aureus Protein-A for Displaying IgGs on Immunosensor Chips2011
Author(s)
M.Iijima, H.Kadoya, T.Matsuzaki, S.Hatahira, S.Hiramatsu, G.Jung, A.Martin, J.Quinn, J.Jung, S.-Y.Jeong, E.K.Choi, T.Arakawa, F.Hinako, M.Kusunoki, N.Yoshimoto, T.Niimi, K.Tanizawa, S.Kuroda
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Journal Title
Biomaterials
Volume: 32
Pages: 1455-1464
DOI
Peer Reviewed