2011 Fiscal Year Annual Research Report
高密度情報誘導手術環境を支援する手術工程解析法と評価システムの開発
Project/Area Number |
22650115
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 亮一 千葉大学, 大学院・工学研究科, 特任准教授 (30366356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝司 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00468688)
村垣 善浩 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70210028)
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Keywords | 手術ナビゲーション / 工程解析 / 作業評価 / スケジューリング / 脳腫瘍 / ベイズ推定 |
Research Abstract |
本年度は昨年度までの成果を基に,(1)手術工程解析のための作業情報収集・解析アルゴリズム,(2)標準工程データ作成技術を提案・構築し,これらを利用した(3)手術部管理最適化のための手術進捗の予測,の項目について以下の研究を行った. (1)情報解析による治療工程ステージ分類アルゴリズムの開発 (1)ナビゲーションログによる工程分析 術野の解剖学的情報の中からステージング分析に有用な特徴情報を抽出し,治療中の術具位置ログデータと特徴情報の干渉を解析して各ステージに分割するアルゴリズムの開発を行った.昨年度行ったログデータからの分析に,解剖学的情報とログデータ分析結果を付加し,これを教師データとしたベイズ推定による脳腫瘍手術3工程(皮質切開,術中診断,腫瘍切開)の自動推定法を構築し,臨床8症例による評価を行った結果,平均73%の精度で作業工程の推定が可能であった. (2)手術室内スタッフ・機器情報からの工程分析と作業分析 昨年度開発した2カメラによる動態分析法を深化させ,4カメラによるオクルージョン回避・高精度化を行った.無影灯や人員遮蔽によるオクルージョン発生時も適切な動線が獲得可能である事を確認した. (2)標準工程データ作成技術の開発 (3)手術部管理最適化のための手術進捗の予測 脳腫瘍摘出術20症例の分析の結果,腫瘍の大きさが手術時間に最も影響する要素であった.この統計データを元に標準摘出終了時刻を示す標準工程データを作成し,元に昨年度開発した手術終了時刻予測システムに導入して予測の高精度化を測ったところ,標準工程データを用いない従来手法に比べ予測誤差が約30%低減した. また上記システムを腹腔鏡下胆嚢摘出術への応用を開始し,作業ログデータ,術具種類情報,胆嚢モデルデータから作業ステージ,進捗度の自動提示を行うシステムを実装した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳腫瘍摘出術の自動工程分析に関しては,3工程とまだ少ない工程数ではあるが当初の目標であるナビゲーションシステム情報のみを用いた自動工程推定を達成した.他の手術室内情報分析(動線分析)及び他の手術(内視鏡下胆嚢摘出術)への応用も順調に進捗しており,3年目での統合と発展が見込める.
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Strategy for Future Research Activity |
ナビゲーションによる工程分析法について一定の結果が得られており,これを基盤に動線分析結果との統合分析を行う.また昨年度より着手した一般外科への応用も進める.
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Research Products
(11 results)