2010 Fiscal Year Annual Research Report
超低磁場マルチモダリティ磁気共鳴画像システムの開発
Project/Area Number |
22650116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 哲生 京都大学, 工学研究科, 教授 (40175336)
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Keywords | 原子磁気センサ / 光ポンピング / MRI / 脳磁図 / 超高感度 / 超低磁場 |
Research Abstract |
医用イメージングシステムの中で磁気共鳴画像(MRI)システムは臨床の現場で広く用いられ非常に重要な地位を占めている。現在のMRIシステムにおいては、磁気共鳴信号の検出にRF誘導コイル(ピックアップコイル)を用いているおり信号強度を大きくするため超伝導磁石などによる強磁場の印加が必要であり、大型・高額なシステムとなっている。また,静磁場強度の増大に伴い勾配磁場も大きくなり、その変動に伴い人体に誘導される電流の健康への影響が懸念される。このような背景のもと、超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いた超低磁場MRIの試みが報告されている。しかし、SQUIDは液体ヘリウムによって冷却する必要があるため、装置の小型、低価格化が困難である。本研究では、SQUIDを凌ぐ新たな超高感度光ポンピング原子磁気センサ(Atomic Magnetometer)により冷媒なしに脳磁図などの他のモダリティと融合可能な超低磁場マルチモダリティMRIシステムの実現に挑戦する。初年度は、光ポンピング原子磁気センサの高感度化に主眼をおいて研究を進めた。高感度化のため、まず計測感度と帯域幅のセンサ動作条件依存性に関する理論的・実験的検討を行った。実験においては、K原子とRb原子という2種類のアルカリ金属をまず単体で用いた場合に関して、特に低周波数帯域における環境磁気ノイズや計測システム系の磁気ノイズの低減を図った。その後、K原子とRb原子という2種類のアルカリ金属を混合したハイブリッド型セルを作成し、ポンピングされた原子のスピン偏極をスピン交換衝突によりもう一方の原子に移すことによりノイズを低減し高感度化が図れる事を示した。併せてセルの作成の諸条件、最適なレーザのパワーなどを理論と実験の両面から明らかにした。
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Research Products
(18 results)