2011 Fiscal Year Annual Research Report
超低磁場マルチモダリティ磁気共鳴画像システムの開発
Project/Area Number |
22650116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 哲生 京都大学, 工学研究科, 教授 (40175336)
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Keywords | 原子磁気センサ / MRI / MCG / 光ポンピング / 医用イメージング / MEG |
Research Abstract |
本研究では、超伝導量子干渉素子を凌ぐ新たな超高感度光ポンピング原子磁気センサ(Atomic Magnetometer)により冷媒なしに心磁図や脳磁図などの他のモダリティと融合可能な超低磁場マルチモダリティMRIシステムの開発を目的に研究を行った。本年度はまず初年度の研究成果を踏まえ,引き続き光ポンピング原子磁気センサの高感度化の研究を進めた。初年度の研究においてアルカリ金属のK原子またはRb原子を混合したハイブリッド型の新たなガラスセルを作成し,ポンピングする原子とプローブする原子を別にすることで高感度化が可能であることが実証できたので,本年度は両原子の混合比やレーザのパワー,波長といった実験パラメータの最適化について理論的,実験的な検討を行ってさらなる高感度化を図った.次に,超低磁場MRIの実現に向けて,フラックストランスフォーマと光ポンピング原子磁気センサを組み合わせたMR信号の遠隔計測に関して理論的検討と実測による検証を行った.フラックストランスフォーマはピックアップコイル、インプットコイルと、それに直列に接続した可変コンデンサからなる。本研究では、原子磁気センサの物理的制約を考慮したフラックストランスフォーマのコイルの位置、形状、サイズを,SNRを最大にするようシミュレーションによって決定し実測により妥当性を実証した。本年度実施したMR信号の遠隔計測実験には300μTの静磁場と3軸勾配磁場を印加可能なコイルシステムを用いた。このコイルシステムの中心に,さらに30mTのプリポーラライズ磁場を印加可能なコイルを設置し,MR信号検出のために静磁場、勾配磁場制御のためのパルスシーケンスの開発を行った。一方、マルチモダリティシステムに向けヒトの生体磁気信号の計測を試み,日本初となる原子磁気センサによる心磁図分布計測に成功した。
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Research Products
(21 results)